学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §1 総論 / QJ29A082

理由で解く 柔道整復師

QJ29A082 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問82
問題
細胞内液中の陽イオンで最も濃度が高いのはどれか。
選択肢
1 カリウムイオン
2 カルシウムイオン
3 ナトリウムイオン
4 マグネシウムイオン
解答
正解1(カリウムイオン)
解説

細胞内液で最も濃度が高い陽イオンはカリウムイオン(K⁺)で、約150 mEq/Lにのぼります。細胞外液の主役がナトリウムイオン(Na⁺)であるのと、ちょうど裏返しの関係です。

この偏りをつくっているのが細胞膜のナトリウムポンプ(Na⁺-K⁺ ATPase)で、ATPを使ってNa⁺を3個外へ、K⁺を2個内へ運び続けています。その結果、K⁺は細胞内が高く細胞外が低い(約4〜5 mEq/L)、Na⁺は細胞外が高く細胞内が低い(約10〜15 mEq/L)という配置が保たれます。静止膜電位が内側マイナスになるのも、細胞膜が静止時にK⁺を通しやすく、K⁺が濃度勾配に従って外へ逃げようとするためです。つまり「細胞内はK⁺の部屋」と覚えておくと、膜電位・活動電位・高カリウム血症の心電図変化まで一本の線でつながります。

✓ 1. これが答え
カリウムイオン
細胞内液のK⁺は約150 mEq/Lで、陽イオンの中で群を抜いて高濃度です。ナトリウムポンプによって細胞内へ汲み入れられ続けており、静止膜電位を決める主役でもあります。
✗ 2. 当てはまらない
カルシウムイオン
細胞質の遊離Ca²⁺は約10⁻⁷ mol/L(0.0001 mEq/L台)と、むしろ極端に低く保たれています。低いからこそ、筋小胞体からのわずかな放出が「収縮せよ」という信号として働けるわけです。
✗ 3. 当てはまらない
ナトリウムイオン
Na⁺は細胞外液で最も多い陽イオン(約145 mEq/L)で、細胞内では約10〜15 mEq/Lにとどまります。細胞内外を取り違えやすい選択肢なので、「Na⁺は外、K⁺は中」とセットで確認しておきましょう。
✗ 4. 当てはまらない
マグネシウムイオン
Mg²⁺は体内の総量では細胞内に多く存在しますが、その大半はATPやタンパク質と結合しており、遊離のMg²⁺濃度はK⁺よりずっと低い値です。最も濃度が高い陽イオンとはいえません。
ポイント
  • 細胞内液の主要陽イオンはK⁺(約150 mEq/L)、細胞外液の主要陽イオンはNa⁺(約145 mEq/L)。
  • この配置はナトリウムポンプ(Na⁺-K⁺ ATPase)がATPを使ってNa⁺3個排出・K⁺2個取り込みを続けることで維持される。
  • 静止膜電位が内側マイナスになるのは、静止時の膜がK⁺を通しやすくK⁺が外へ拡散するため。
  • 細胞内の遊離Ca²⁺は約10⁻⁷ mol/Lと極めて低く、その低さが収縮シグナルの感度を生む。
  • 細胞外液の主要陰イオンはCl⁻、細胞内液の主要陰イオンはリン酸とタンパク質。
比較表
イオン細胞内液の目安細胞外液の目安覚え方
K⁺約150 mEq/L約4〜5 mEq/L細胞内の王様
Na⁺約10〜15 mEq/L約145 mEq/L細胞外の王様
Ca²⁺(遊離)約10⁻⁷ mol/L約5 mEq/L内は極低、外はその1万倍
Mg²⁺(遊離)K⁺よりかなり低い約2 mEq/L総量は内に多いが遊離は少ない
Cl⁻低い約103 mEq/L細胞外の主要陰イオン
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