学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §1 総論 / QJ29A081

理由で解く 柔道整復師

QJ29A081 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問81
問題
細胞膜にあるのはどれか。
選択肢
1 輸送体
2 滑面小胞体
3 ゴルジ装置
4 ミトコンドリア
解答
正解1(輸送体)
解説

細胞膜は脂質二重層に多数の膜タンパク質が埋め込まれた構造で、輸送体(トランスポーター)はその代表格です。残る3つはいずれも細胞質の中に浮かぶ「細胞小器官」で、細胞膜そのものの部品ではありません。

脂質二重層は油の壁なので、イオンやグルコースのような水になじむ物質は自力で通り抜けられません。そこで細胞膜には、物質を選んで通す「門」としてチャネル・輸送体(担体)・ポンプといったタンパク質が組み込まれています。ナトリウムポンプ(Na⁺-K⁺ ATPase)やグルコース輸送体(GLUT)を思い浮かべると分かりやすいでしょう。一方、滑面小胞体・ゴルジ装置・ミトコンドリアは、それぞれ独自の膜で仕切られた細胞内の「部屋」であり、外界と接する細胞膜とは場所が違います。選択肢を見たら「これは膜に埋まった部品か、細胞質に浮かぶ部屋か」で仕分けると、迷わず1つに絞れます。

✓ 1. これが答え
輸送体
輸送体は細胞膜を貫通する膜タンパク質で、グルコース・アミノ酸・イオンなどを膜の内外で受け渡します。細胞膜の「選んで通す」という機能そのものを担う部品なので、細胞膜にあるものとして正答です。
✗ 2. 当てはまらない
滑面小胞体
滑面小胞体は細胞質内にある管状の小器官で、脂質やステロイドの合成、カルシウムの貯蔵を担います。筋細胞では筋小胞体としてCa²⁺を出し入れします。細胞膜とは別の膜系なので、ここでは選びません。
✗ 3. 当てはまらない
ゴルジ装置
ゴルジ装置は扁平な袋が重なった細胞内小器官で、粗面小胞体でつくられたタンパク質に糖鎖を付けて仕上げ、分泌顆粒として送り出す「仕分け・出荷部門」です。細胞質内に位置します。
✗ 4. 当てはまらない
ミトコンドリア
ミトコンドリアは二重膜をもつ細胞内小器官で、クエン酸回路と電子伝達系によりATPを産生する「発電所」です。自身の膜は内膜・外膜であって、細胞膜とは区別して覚えます。
ポイント
  • 細胞膜=脂質二重層+膜タンパク質。膜タンパク質にはチャネル・輸送体(担体)・ポンプ・受容体・酵素がある。
  • 輸送体は水溶性物質(グルコース、アミノ酸、イオン)の通り道。GLUTやNa⁺-K⁺ ATPaseが代表例。
  • 滑面小胞体=脂質・ステロイド合成とCa²⁺貯蔵、ゴルジ装置=糖鎖付加と分泌、ミトコンドリア=ATP産生。
  • 選択肢を「膜に埋まった部品」か「細胞質に浮かぶ部屋(小器官)」かで仕分けると即答できる。
比較表
構造存在場所おもな働き
輸送体(トランスポーター)細胞膜(膜タンパク質)グルコース・アミノ酸・イオンの膜輸送
滑面小胞体細胞質脂質・ステロイド合成、Ca²⁺貯蔵
粗面小胞体細胞質リボソームでのタンパク質合成
ゴルジ装置細胞質糖鎖付加・仕分け・分泌顆粒の形成
ミトコンドリア細胞質クエン酸回路・電子伝達系によるATP産生
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