学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §1 総論 / QJ28A082
理由で解く 柔道整復師
代謝性アシドーシスは、一次性にHCO₃⁻(重炭酸イオン)が減少し、その結果として血中pHが酸性側(7.35未満)へ傾く病態である。pHが7.35未満かつHCO₃⁻減少という組合せは4のみである。
酸塩基平衡はヘンダーソン・ハッセルバルヒの関係から、pHが「HCO₃⁻(代謝性因子・腎が調節)/PaCO₂(呼吸性因子・肺が調節)」の比で決まると考えると整理しやすい。分子であるHCO₃⁻が減ればpHは下がり(代謝性アシドーシス)、増えれば上がる(代謝性アルカローシス)。分母のPaCO₂が増えればpHは下がり(呼吸性アシドーシス)、減れば上がる(呼吸性アルカローシス)。正常値はpH 7.35〜7.45、HCO₃⁻ 約24mEq/L、PaCO₂ 約40mmHgである。判定は二段階で行う。まずpHを見てアシデミア(酸性側)かアルカレミア(アルカリ性側)かを決め、次にどちらの因子が一次性変化かを見分ける。ここで大切なのは、HCO₃⁻とPaCO₂ではpHとの向きの関係がそもそも逆だという点である。HCO₃⁻はpHと同じ向きに動く因子なので、HCO₃⁻がpHと同方向(pH低下+HCO₃⁻減少/pH上昇+HCO₃⁻増加)なら代謝性が一次性。PaCO₂はpHと逆向きに動く因子なので、PaCO₂がpHと逆方向(pH低下+PaCO₂上昇/pH上昇+PaCO₂低下)なら呼吸性が一次性である。残った方が代償と読む。「pHと同じ方向に動いている方が一次性」と一括りに覚えると呼吸性の判別を誤るので、因子ごとに向きを覚えたい。代謝性アシドーシスは腎不全、下痢によるHCO₃⁻喪失、糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシスなどで生じ、代償として呼吸が深く速くなり(クスマウル呼吸)、CO₂を吐き出してpHを戻そうとする。
| 病態 | pH | 一次性変化 | 代償 | 代表的原因 |
|---|---|---|---|---|
| 代謝性アシドーシス | 低下 | HCO₃⁻ 減少(pHと同方向) | PaCO₂ 低下(過換気) | 腎不全、下痢、糖尿病性ケトアシドーシス |
| 代謝性アルカローシス | 上昇 | HCO₃⁻ 増加(pHと同方向) | PaCO₂ 上昇(低換気) | 嘔吐、利尿薬 |
| 呼吸性アシドーシス | 低下 | PaCO₂ 上昇(pHと逆方向) | HCO₃⁻ 増加(腎で保持) | COPD、呼吸抑制 |
| 呼吸性アルカローシス | 上昇 | PaCO₂ 低下(pHと逆方向) | HCO₃⁻ 減少(腎で排泄) | 過換気症候群、高地 |
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