学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ28A083

理由で解く 柔道整復師

QJ28A083 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問83
問題
分解されてビリルビンになるのはどれか。
選択肢
1 ヘム
2 グロビン
3 グロブリン
4 アルブミン
解答
正解1(ヘム)
解説

ビリルビンのもとになるのは、ヘモグロビンのうち鉄を含む色素部分であるヘムです。タンパク部分のグロビンはアミノ酸に分解されて再利用され、ビリルビンにはなりません。

寿命(約120日)を終えた赤血球は、主に脾臓のマクロファージ(単核食細胞系)に取り込まれて壊されます。ここでヘモグロビンは「ヘム」と「グロビン」に分けられ、ヘムはヘムオキシゲナーゼの作用で鉄が外れ、緑色のビリベルジンを経て黄色のビリルビンへ変わります。外れた鉄はトランスフェリンに乗って骨髄へ戻り再び造血に使われ、グロビンはアミノ酸まで分解されて体タンパクの材料に戻ります。つまり赤血球の材料は「鉄とアミノ酸は再利用、色素の骨組みだけが捨てる形に変えられる」わけで、その捨てる形がビリルビンです。生じたビリルビン(間接型・非抱合型)は水に溶けにくいためアルブミンと結合して肝臓へ運ばれ、肝細胞でグルクロン酸抱合を受けて直接型(抱合型)となり、胆汁中へ排泄されます。この流れを「どこで作られ、何に運ばれ、どこで形を変え、どこから出ていくか」の順で押さえると、黄疸の分類まで一本の線でつながります。

✓ 1. 正しい
ヘム
ヘムはポルフィリン環に鉄が収まった色素部分で、ヘムオキシゲナーゼによって環が開かれ、鉄と一酸化炭素が外れてビリベルジンになり、さらに還元されてビリルビンになります。ビリルビンの直接の材料はこのヘムだけです。
✗ 2. 誤り
グロビン
グロビンはヘモグロビンのタンパク部分(α鎖・β鎖)で、分解されるとアミノ酸となり、体タンパクの合成材料として再利用されます。色素をもたないため、ビリルビンにはなりません。ヘモグロビンを「ヘム=色素」「グロビン=タンパク」と分けて覚えると迷いません。
✗ 3. 誤り
グロブリン
グロブリンは血漿タンパクの一群(α・β・γグロブリン)で、γグロブリンは免疫グロブリン(抗体)にあたります。ヘモグロビンの「グロビン」とは名前が似ているだけの別物で、赤血球の破壊とは直接の関係がありません。名称が紛らわしい選択肢なので、「グロビン=赤血球の中身」「グロブリン=血漿の中身」と場所で区別しておきましょう。
✗ 4. 誤り
アルブミン
アルブミンは肝臓で作られる血漿タンパクで、膠質浸透圧の維持と各種物質の運搬を担います。間接ビリルビンを肝臓まで「運ぶ役」ではありますが、アルブミン自身が分解されてビリルビンになるわけではありません。運び屋と積み荷を取り違えないよう、「アルブミンに乗って運ばれるのが間接ビリルビン」と結びつけて覚えてください。
ポイント
  • ヘモグロビン=ヘム(鉄を含む色素部分)+グロビン(タンパク部分)。ビリルビンになるのはヘムのみ。
  • 分解経路:ヘム →(ヘムオキシゲナーゼ)→ ビリベルジン → ビリルビン。このとき鉄と一酸化炭素が外れ、鉄は造血に再利用される。
  • 主な分解の場は脾臓などのマクロファージ(単核食細胞系)。赤血球の寿命は約120日。
  • 間接(非抱合型)ビリルビンはアルブミンに結合して肝臓へ→グルクロン酸抱合で直接(抱合型)ビリルビン→胆汁へ排泄→腸内細菌でウロビリノゲン→便のステルコビリン。
  • 「グロビン」と「グロブリン」は別物。グロブリンは血漿タンパクの一群で、γグロブリンは免疫グロブリン。
比較表
物質正体・存在部位分解・代謝の行方
ヘムヘモグロビンの色素部分(鉄+ポルフィリン環)ビリベルジン→ビリルビン/鉄は再利用
グロビンヘモグロビンのタンパク部分アミノ酸に分解され再利用
グロブリン血漿タンパクの一群(α・β・γ)免疫や物質輸送を担う。ビリルビンとは無関係
アルブミン血漿タンパクで最多、肝臓で合成膠質浸透圧の維持と運搬(間接ビリルビンの運び屋)
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