学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ28A084

理由で解く 柔道整復師

QJ28A084 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問84
問題
フィブリノゲンをフィブリンに変換するのはどれか。
選択肢
1 コラーゲン
2 セロトニン
3 トロンビン
4 プラスミン
解答
正解3(トロンビン)
解説

凝固カスケードの最終段階で、トロンビンが可溶性のフィブリノゲンを切断して不溶性のフィブリンに変える。これが二次止血の要である。

止血は二段階で進む。まず血管が傷つくと内皮下のコラーゲンが露出し、フォン・ヴィレブランド因子を介して血小板が粘着・凝集して血小板血栓をつくる(一次止血)。続いて凝固因子の連鎖反応が起こる。外因系(組織因子+第Ⅶ因子)と内因系(第Ⅻ因子から始まる)は第Ⅹ因子の活性化で合流し、プロトロンビナーゼがプロトロンビン(第Ⅱ因子)をトロンビン(第Ⅱa因子)に変える。トロンビンはフィブリノゲン(第Ⅰ因子)からフィブリンモノマーを切り出し、これが重合し、さらにトロンビンによって活性化された第ⅩⅢ因子が架橋して安定化フィブリンとなり、血球を絡めて血餅を完成させる(二次止血)。修復が進むと線溶系が働き、プラスミノゲンがプラスミンとなってフィブリンを分解し、FDPやDダイマーが生じる。「トロンビンが作り、プラスミンが壊す」と対にして覚えると混同しない。

✓ 3. 正しい
トロンビン
プロトロンビンから生じるタンパク分解酵素で、フィブリノゲンを切ってフィブリンにする。さらに第ⅩⅢ因子を活性化して線維を架橋し、血小板も活性化する、凝固の中心的存在である。
✗ 1. 誤り
コラーゲン
血管内皮が傷つくと露出し、血小板が粘着する足場となる(一次止血の起点)。内因系凝固の引き金にもなるが、酵素ではなくフィブリノゲンを切る働きはない。
✗ 2. 誤り
セロトニン
血小板の濃染顆粒に含まれ、放出されると血管を収縮させて出血を抑える。血管収縮による補助であって、凝固反応そのものを触媒しない。
✗ 4. 誤り
プラスミン
線溶系の酵素で、できあがったフィブリンを分解してFDP・Dダイマーを生じる。トロンビンとは逆向きの働きをすると理解しておくとよい。
ポイント
  • 一次止血=血小板血栓(コラーゲン露出→粘着・凝集)、二次止血=フィブリン形成。
  • プロトロンビン(第Ⅱ因子)→トロンビン→フィブリノゲン(第Ⅰ因子)→フィブリン、が最終共通経路。
  • 第ⅩⅢ因子がフィブリンを架橋して安定化させる(活性化するのもトロンビン)。
  • 線溶系はプラスミノゲン→プラスミンでフィブリンを分解。FDP・Dダイマーが指標。
  • 作る側=トロンビン、壊す側=プラスミン、と対で整理する。
比較表
段階主役できるもの
血管収縮セロトニン、トロンボキサンA₂血流の減少
一次止血血小板、コラーゲン、フォン・ヴィレブランド因子血小板血栓
二次止血トロンビンフィブリン(+第ⅩⅢ因子で安定化)
線溶プラスミンFDP・Dダイマー(血栓の溶解)
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