学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ29A083

理由で解く 柔道整復師

QJ29A083 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問83
問題
老化した赤血球が破壊される臓器はどれか。
選択肢
1 心臓
2 骨髄
3 腎臓
4 脾臓
解答
正解4(脾臓)
解説

寿命およそ120日を終えた老化赤血球は、主に脾臓の赤脾髄でマクロファージに捕らえられて壊されます。脾臓が「赤血球の墓場」と呼ばれるゆえんです。

若い赤血球は柔らかく変形しやすいため、脾臓内の狭い網目や脾洞のすき間をすり抜けられます。ところが老化した赤血球は膜がこわばって変形能を失い、通り抜けられずに滞留し、そこで待ち構えているマクロファージに貪食されます。分解されたヘモグロビンはヘムとグロビンに分かれ、ヘムから生じたビリルビンは血中に出て肝臓へ運ばれ(間接ビリルビン)、抱合を受けて胆汁中に排泄されます。鉄はトランスフェリンに乗って回収され、骨髄で新しい赤血球づくりに再利用されます。肝臓や骨髄のマクロファージも一部を処理しますが、主役は脾臓です。「つくるのは骨髄、壊すのは脾臓」と対にして押さえましょう。

✓ 4. これが答え
脾臓
脾臓の赤脾髄には多数のマクロファージが常駐し、変形能を失った老化赤血球を選別して貪食します。赤血球破壊の主たる場であり、これが正答です。
✗ 1. 当てはまらない
心臓
心臓は血液を全身に送り出すポンプで、血球の産生にも破壊にも関与しません。心内膜や弁が赤血球を壊す仕組みももっていません。
✗ 2. 当てはまらない
骨髄
骨髄は造血幹細胞から赤血球・白血球・血小板をつくる「産生」の場です。破壊の場と役割が正反対なので、混同しないよう産生と破壊をセットで確認しておきましょう。
✗ 3. 当てはまらない
腎臓
腎臓は尿の生成のほか、酸素不足を感知してエリスロポエチンを分泌し、骨髄での赤血球産生を促します。赤血球に関わりますが、その役割は産生の促進であって破壊ではありません。
ポイント
  • 赤血球の寿命は約120日。老化して変形能を失うと脾臓の赤脾髄でマクロファージに貪食される。
  • 「つくるのは骨髄、壊すのは脾臓」と対で覚える。腎臓はエリスロポエチンを出して産生を促す側。
  • 分解されたヘムはビリルビンとなり、肝臓で抱合されて胆汁へ排泄される。
  • 鉄はトランスフェリンで運ばれ、骨髄での赤血球産生に再利用される。
  • 脾臓は血液の濾過装置であると同時に、リンパ球が集まる白脾髄をもつ免疫器官でもある。
比較表
臓器赤血球との関係
骨髄産生の場(造血幹細胞から赤血球をつくる)
脾臓破壊の場(老化赤血球をマクロファージが貪食)
腎臓エリスロポエチンを分泌し産生を促す
肝臓ビリルビンを抱合し胆汁へ排泄(破壊の一部も担う)
心臓血液を循環させるポンプ。産生・破壊には関与しない
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