学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ29A080

理由で解く 柔道整復師

QJ29A080 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問80
問題
頸動脈三角で脈拍が触れるのはどれか。
選択肢
1 頸横動脈
2 外頸動脈
3 内頸動脈
4 総頸動脈
解答
正解4(総頸動脈)
解説

頸動脈三角の中で体表から拍動を確かめられるのは総頸動脈です。正解は4です。

頸動脈三角は、胸鎖乳突筋の前縁・肩甲舌骨筋上腹・顎二腹筋後腹に囲まれた領域で、その中で総頸動脈が甲状軟骨上縁(およそ第4頸椎)の高さで内頸動脈と外頸動脈に分かれます。総頸動脈は分岐部の手前で比較的浅い位置を上行し、外側から指を当てると頸椎横突起との間で押さえられるため、拍動を明瞭に触れます。実際には甲状軟骨に指を置き、そのまま外側へ滑らせて胸鎖乳突筋前縁の溝で確認します。この部位のすぐ上には頸動脈洞があるので、両側を同時に強く圧迫すると頸動脈洞反射で徐脈や血圧低下を起こしかねません。確認は片側ずつ、軽い圧で短時間にとどめるのが原則です。

✓ 4. 正しい
総頸動脈
頸動脈三角内を上行し、体表から最も明瞭に拍動を触知できる動脈です。血圧が低下しても比較的最後まで触れるため、成人の急変時に脈拍を確認する部位としても用いられます。
✗ 1. 誤り
頸横動脈
鎖骨下動脈から出た甲状頸動脈の枝で、後頸三角を外側へ横切って肩甲挙筋・菱形筋・僧帽筋へ向かいます。頸動脈三角には存在せず、深部を走るため拍動も触れません。
✗ 2. 誤り
外頸動脈
起始部は頸動脈三角内にありますが、上甲状腺動脈などの枝を出しながら上行してすぐ耳下腺の中へ入ります。この動脈系を体表で触れるのは枝である浅側頭動脈(耳の前)や顔面動脈(下顎骨下縁)であり、頸動脈三角で拍動を触れる動脈として問われれば総頸動脈です。
✗ 3. 誤り
内頸動脈
分岐後は頸部で枝を出さず、外頸動脈の後外側から後内側へ回り込んで深部を上行し、頸動脈管から頭蓋内に入ります。深い位置を走るため体表からは触知できません。
ポイント
  • 頸動脈三角の境界は、胸鎖乳突筋前縁・肩甲舌骨筋上腹・顎二腹筋後腹。
  • 総頸動脈の分岐は甲状軟骨上縁(およそC4)の高さ。分岐部に頸動脈洞と頸動脈小体がある。
  • 体表から拍動を触れるのは総頸動脈。甲状軟骨から外側へ滑らせ、胸鎖乳突筋前縁の溝で確認する。
  • 内頸動脈は頸部で枝を出さず深部を上行するため触知不能。外頸動脈系は浅側頭動脈・顔面動脈で触れる。
  • 両側同時の強い圧迫は頸動脈洞反射(徐脈・血圧低下)を招く。片側ずつ軽い圧で短時間に行う。
比較表
動脈走行体表で触れる場所
総頸動脈頸動脈三角内を上行し、甲状軟骨上縁で分岐胸鎖乳突筋前縁、甲状軟骨の高さ
内頸動脈枝を出さず深部を上行し頸動脈管へ触知できない
外頸動脈枝を出しながら上行し耳下腺内へ枝の浅側頭動脈(耳前部)、顔面動脈(下顎骨下縁)
頸横動脈甲状頸動脈から後頸三角を外側へ横切る触知部位として用いない
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