学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ29A073

理由で解く 柔道整復師

QJ29A073 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問73
問題
頸動脈小体および頸動脈洞に関わる脳神経はどれか。
選択肢
1 三叉神経
2 顔面神経
3 舌咽神経
4 副神経
解答
正解3(舌咽神経)
解説

頸動脈洞(圧受容器)と頸動脈小体(化学受容器)は、どちらも舌咽神経の枝が情報を運びます。正解は3です。

総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分かれる部位(甲状軟骨上縁、およそ第4頸椎の高さ)には、2つの異なるセンサーが隣り合って存在します。頸動脈洞は内頸動脈起始部のふくらみで、血管壁の伸び具合=血圧を感知する圧受容器です。頸動脈小体は分岐部の後方にある米粒大の小体で、動脈血の酸素分圧低下・二酸化炭素分圧上昇・pH低下を感知する化学受容器です。どちらの情報も舌咽神経の頸動脈洞枝を通って延髄の孤束核に届き、血圧の調節(頸動脈洞反射)と呼吸の調節に使われます。同じ働きをするセンサーが大動脈弓にもありますが、そちらの求心路は迷走神経です。「頸は舌咽、胸は迷走」と場所と神経をセットで覚えるのが確実です。

✓ 3. 正しい
舌咽神経
舌咽神経(第IX脳神経)の頸動脈洞枝が、頸動脈洞と頸動脈小体の両方からの求心性情報を延髄へ伝えます。頸部を強く圧迫したときに徐脈や血圧低下が起こる頸動脈洞反射は、この経路が延髄から迷走神経を介して心臓に働きかけた結果です。
✗ 1. 誤り
三叉神経
顔面の皮膚・粘膜の感覚と咀嚼筋の運動を担当する神経で、頸部の血管受容器には関与しません。分布域が顔面までである点を押さえておきましょう。
✗ 2. 誤り
顔面神経
表情筋の運動、舌前3分の2の味覚、涙腺・顎下腺・舌下腺の分泌を担います。舌咽神経と働きが一部似ているため紛らわしいですが、血圧・血液ガスのセンサーは受け持ちません。
✗ 4. 誤り
副神経
胸鎖乳突筋と僧帽筋を動かす運動神経です。頸部を走るという点だけは共通しますが、感覚情報を運ぶ受容器との関わりはありません。
ポイント
  • 頸動脈洞=圧受容器(血圧)、頸動脈小体=化学受容器(O₂・CO₂・pH)。どちらも総頸動脈分岐部にある。
  • 両者の求心性神経はいずれも舌咽神経(頸動脈洞枝)。
  • 大動脈弓の圧受容器・大動脈小体は迷走神経が担当。「頸は舌咽、胸は迷走」。
  • 情報は延髄の孤束核に集まり、循環中枢・呼吸中枢の調節に使われる。
  • 頸部の強い圧迫は頸動脈洞反射で徐脈・血圧低下を招くため、頸部の触診は片側ずつ短時間で行う。
比較表
受容器位置感知するもの求心性神経
頸動脈洞総頸動脈分岐部(内頸動脈起始部)血圧(血管壁の伸展)舌咽神経
頸動脈小体総頸動脈分岐部の後方O₂・CO₂分圧、pH舌咽神経
大動脈弓(圧受容器)大動脈弓の壁血圧迷走神経
大動脈小体大動脈弓の近くO₂・CO₂分圧、pH迷走神経
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