学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ29A072

理由で解く 柔道整復師

QJ29A072 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問72
問題
錐体路の構成要素でないのはどれか。
選択肢
1 大脳皮質
2 大脳髄質
3 橋背側部
4 脊髄前角
解答
正解3(橋背側部)
解説

錐体路は大脳皮質から脊髄前角まで、脳幹の腹側寄りを一貫して下ります。橋では腹側の橋底部を通り、背側部(被蓋)は通らないので3が答えです。

この設問は「構成要素でないもの」を選ぶ問題です。錐体路(皮質脊髄路)は一次運動野(中心前回)の錐体細胞に始まり、大脳髄質の放線冠→内包後脚→中脳の大脳脚→橋底部→延髄の錐体、と脳幹の腹側を降りていきます。延髄下端で大部分が対側へ交叉し(錐体交叉)、外側皮質脊髄路として脊髄側索を下って脊髄前角の運動ニューロン(下位運動ニューロン)に終わります。一方、橋の背側部は被蓋と呼ばれ、脳神経核・内側毛帯(上行する感覚路)・網様体が占める領域です。「運動の下行路は腹側、感覚路と脳神経核は背側」と脳幹を前後で二分して捉えると、どの高さでも判断できます。

✓ 3. これが答え(錐体路に含まれない)
橋背側部
橋で錐体路が通るのは腹側の橋底部で、橋核と橋横線維に囲まれて細い束に分かれながら下ります。背側部(被蓋)には三叉神経核・顔面神経核・外転神経核や内側毛帯があり、錐体路は通りません。
✗ 1. 錐体路に含まれる(答えではない)
大脳皮質
錐体路の出発点そのものです。中心前回(一次運動野)の第V層にある錐体細胞(ベッツ細胞を含む)が上位運動ニューロンとして軸索を出します。
✗ 2. 錐体路に含まれる(答えではない)
大脳髄質
皮質を出た線維は大脳髄質の中で放線冠として扇状に集まり、内包後脚へ収束します。内包の出血や梗塞で片麻痺が起こるのは、ここで線維が密に束ねられているためです。
✗ 4. 錐体路に含まれる(答えではない)
脊髄前角
錐体路の終点です。前角の運動ニューロンに連絡し、そこから前根・末梢神経を経て骨格筋へ指令が伝わります。前角より末梢が下位運動ニューロンです。
ポイント
  • 錐体路の道順:大脳皮質(中心前回)→放線冠→内包後脚→大脳脚→橋底部→延髄錐体→錐体交叉→脊髄側索→脊髄前角。
  • 脳幹では一貫して腹側を通る。橋なら「底部」であって「背側部(被蓋)」ではない。
  • 橋の背側部にあるのは脳神経核・内側毛帯・網様体。
  • 錐体交叉は延髄下端。約8〜9割が交叉して外側皮質脊髄路になる。
  • 前角より中枢が上位運動ニューロン、前角以降が下位運動ニューロン。障害像の違い(痙性か弛緩性か)につながる。
比較表
高さ錐体路が通る場所同じ高さの背側(通らない側)
大脳中心前回→放線冠→内包後脚
中脳大脳脚(腹側)被蓋・四丘体
橋底部(腹側)橋被蓋(脳神経核・内側毛帯)
延髄錐体(腹側)→錐体交叉延髄被蓋(脳神経核・網様体)
脊髄側索(外側皮質脊髄路)→前角後索(感覚の上行路)
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