学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ29A074

理由で解く 柔道整復師

QJ29A074 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問74
問題
舌筋の支配神経はどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
解答
正解4
解説

舌筋(内舌筋・外舌筋)の運動を支配するのは舌下神経(第Ⅻ脳神経)。図では4がこれにあたる。

舌に関わる神経は「動かす」「触った感じ」「味」の3系統に分けて整理すると混乱しない。運動は舌下神経が一手に引き受け、舌の形を変える内舌筋(上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋)と、舌全体を動かす外舌筋(オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋)を支配する。唯一の例外が軟口蓋から来る口蓋舌筋で、これは咽頭神経叢を介する迷走神経支配である。感覚は舌の前3分の2で二重支配となり、触覚・痛覚などの一般体性感覚は舌神経(三叉神経第3枝=下顎神経の枝)、味覚は顔面神経の枝である鼓索神経が舌神経に相乗りして伝える。舌の後ろ3分の1は一般感覚も味覚もまとめて舌咽神経が担当する。舌下神経が一側で麻痺すると、舌を突き出したときに健側のオトガイ舌筋だけが押し出すため舌尖は患側へ偏位し、患側の舌に萎縮や線維束攣縮がみられる。

✓ 4. 正しい
4
図に示された神経のうち舌下神経にあたるのがこれである。内舌筋・外舌筋の運動をまとめて支配する純運動性の脳神経で、舌筋の支配神経を問う本問の正答となる。舌下神経管を通って頭蓋を出る点も併せて覚えたい。
✗ 1. 誤り
1
舌下神経ではなく、舌筋の運動を支配するという条件を満たさない。舌に分布する神経のうち混同しやすいのが舌神経で、三叉神経第3枝(下顎神経)の枝として舌の前3分の2の一般体性感覚(触覚・痛覚・温度覚)を伝えるが、舌筋を動かす働きはない。
✗ 2. 誤り
2
これも舌筋の運動を支配する神経ではない。紛らわしい枝に鼓索神経があり、顔面神経の枝として舌神経に合流し、舌の前3分の2の味覚と顎下腺・舌下腺への分泌線維を運ぶが、舌筋そのものには関与しない。
✗ 3. 誤り
3
舌下神経ではない。舌に関わるもう一つの脳神経が舌咽神経で、舌の後ろ3分の1の一般感覚と味覚を担当し、運動としては茎突咽頭筋のみを支配するため、舌筋の支配神経には当たらない。
ポイント
  • 舌筋(内舌筋・外舌筋)の運動=舌下神経(Ⅻ)。ただし口蓋舌筋のみ迷走神経(Ⅹ)
  • 舌前2/3の一般感覚=舌神経(三叉神経V3)、味覚=鼓索神経(顔面神経Ⅶ)
  • 舌後1/3は一般感覚も味覚も舌咽神経(Ⅸ)
  • 一側の舌下神経麻痺では、突き出した舌が患側へ偏位する
  • 「運動はⅫ、前2/3はV3+Ⅶ、後1/3はⅨ」と3行で覚える
比較表
領域・働き担当する脳神経具体的な枝
舌筋の運動(内舌筋・外舌筋)舌下神経(Ⅻ)舌下神経
口蓋舌筋の運動迷走神経(Ⅹ)咽頭神経叢
舌前2/3の一般感覚三叉神経(Ⅴ3)舌神経
舌前2/3の味覚顔面神経(Ⅶ)鼓索神経
舌後1/3の一般感覚・味覚舌咽神経(Ⅸ)舌枝
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