学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §5 呼吸器系 / QJ29A064

理由で解く 柔道整復師

QJ29A064 解剖学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問64
問題
気管支にないのはどれか。
選択肢
1 線毛
2 軟骨
3 横紋筋
4 杯細胞
解答
正解3(横紋筋)
解説

気管支の壁の筋はすべて平滑筋で、横紋筋は存在しない。答えは3。

気管支の壁は内腔側から、粘膜(多列線毛円柱上皮+杯細胞)→ 平滑筋層 → 粘膜下層(気管支腺)→ 軟骨板 → 外膜の順に積み重なっている。平滑筋が粘膜のすぐ外側にあるため、喘息でこの筋が収縮すると粘膜ごと内腔が絞られる。線毛と、杯細胞・気管支腺が出す粘液が組んで粘液線毛輸送を行い、吸い込んだ塵や細菌を粘液にとらえて咽頭側へ運び上げる。軟骨は気管ではC字型(馬蹄形)の軟骨輪で、後方の欠損部(膜性壁)を平滑筋である気管筋が橋渡しする配置をとり、気管支では不規則な軟骨板が壁を取り巻く形になる。いずれも気道が押しつぶれるのを防ぐが、内径がおよそ1mm以下の細気管支では消失する。逆に平滑筋は末梢へ行くほど壁に占める割合が高くなり、自律神経(交感神経で拡張、副交感神経で収縮)の影響で内腔の太さが変わる。呼吸を起こすのは横隔膜や肋間筋という気道の外にある骨格筋であり、気道の壁そのものを随意に締める横紋筋は備わっていない。

✓ 3. これが答え(気管支にない)
横紋筋
気管支の壁の筋層は平滑筋のみで、横紋筋(骨格筋)は含まれない。だからこそ気管支の太さは意思では変えられず、自律神経と化学的刺激で調節される。喘息発作でこの平滑筋が収縮すると呼気性の呼吸困難が起こり、気管支拡張薬が用いられる。
✗ 1. 気管支にある(答えではない)
線毛
気管支粘膜の多列線毛円柱上皮に備わる。規則正しく打って粘液を咽頭側へ送り上げ、異物を排除する。喫煙などで障害されると痰が出しにくくなる。
✗ 2. 気管支にある(答えではない)
軟骨
気管支では不規則な形の軟骨板として壁に散在し、気道の開存を保つ。硝子軟骨であり、細気管支(内径およそ1mm以下)になると消失する。
✗ 4. 気管支にある(答えではない)
杯細胞
線毛細胞の間に混じって粘液を分泌する。粘膜下の気管支腺とともに粘液線毛輸送の「粘液」側を受けもつ。末梢へ行くほど数は減る。
ポイント
  • 気管支の壁の筋は平滑筋のみ。横紋筋はない=太さを意思で変えられない
  • 壁の構成(内腔側から)=粘膜(多列線毛円柱上皮+杯細胞)→平滑筋層→粘膜下層(気管支腺)→軟骨板→外膜
  • 線毛+粘液=粘液線毛輸送で異物を咽頭側へ運ぶ
  • 軟骨は気管ではC字型の軟骨輪(後方の欠損部は気管筋が橋渡し)、気管支では軟骨板。細気管支で消失する
  • 気管支平滑筋は交感神経で弛緩(拡張)、副交感神経で収縮する
比較表
構成要素気管気管支細気管支
線毛のある上皮あり(多列線毛円柱上皮)ありあり(次第に単層化)
杯細胞ありあり減少し、やがて消失
軟骨あり(C字型の軟骨輪)あり(軟骨板)なし
平滑筋あり(膜性壁の気管筋が後方の欠損部を橋渡し)あり(粘膜のすぐ外側を取り巻く)あり(相対的に厚い)
横紋筋なしなしなし
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