学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §32 足関節外側靱帯損傷の診察 / QJ29A030

理由で解く 柔道整復師

QJ29A030 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問30
問題
足関節外側側副靱帯損傷で誤っているのはどれか。
選択肢
1 内返しで発生する。
2 腫脹は損傷の程度と一致する。
3 前距腓靱帯の単独損傷が多い。
4 受傷直後は起立不能になることがある。
解答
正解2(腫脹は損傷の程度と一致する。)
解説

腫脹の強さと靱帯損傷の重症度は必ずしも一致しない。設問が求める誤りは2。

完全断裂では関節包も一緒に破綻するため、関節内にたまるはずの出血が周囲の疎な組織へ逃げてしまい、かえって局所の膨隆が目立たないことがある。逆に部分損傷でも出血や炎症反応が強ければ大きく腫れる。したがって「よく腫れているから重症」「あまり腫れていないから軽症」という判断は成り立たない。重症度は、圧痛の部位と範囲、前方引き出しテストや内反ストレステストで得られる不安定性、荷重や歩行の可否などを組み合わせて評価する。腫脹が強い急性期は不安定性テストの判定が難しいため、まずRICE処置で腫脹と疼痛を抑え、日を改めて再評価する。骨折の可能性が否定できないときは画像診断につなぐ。

✗ 1. 正しい記述(設問の答えではない)
内返しで発生する。
足関節は底屈・内返し(内反)が強制されたときに外側側副靱帯が引き伸ばされる。段差の踏み外しや着地の失敗など、日常でもスポーツでも最も多い受傷機転である。
✓ 2. これが誤り(正解)
腫脹は損傷の程度と一致する。
完全断裂では関節包も破れて出血が周囲組織へ拡散するため、重症でも腫脹が目立たないことがある。腫脹の大小だけで重症度は決められないので、圧痛部位・不安定性テスト・荷重の可否を合わせて判断し、急性期は腫脹を抑えたうえで再評価する。
✗ 3. 正しい記述(設問の答えではない)
前距腓靱帯の単独損傷が多い。
外側側副靱帯のうち前距腓靱帯は最も細く弱いうえ、底屈位で緊張するため、底屈+内返しの外力を真っ先に受ける。単独損傷が最も多く、外力が大きければ踵腓靱帯、さらに後距腓靱帯へと及ぶ。
✗ 4. 正しい記述(設問の答えではない)
受傷直後は起立不能になることがある。
受傷直後は激痛で体重をかけられず、一時的に立てなくなることがある。その後痛みが和らいで歩けるようになっても損傷が軽いとは限らないため、歩けることを理由に評価を省かない。
ポイント
  • 受傷機転は足関節の底屈+内返し(内反)強制。外側側副靱帯が引き伸ばされる。
  • 損傷頻度は前距腓靱帯>踵腓靱帯>後距腓靱帯。前距腓靱帯の単独損傷が最多。
  • 腫脹の強さ=重症度ではない。完全断裂では関節包も破れ、出血が周囲へ逃げて腫脹が目立たないことがある。
  • 重症度は圧痛部位、前方引き出しテスト・内反ストレステストによる不安定性、荷重の可否で総合的に判断する。
  • 急性期はRICE処置で腫脹・疼痛を抑え、日を改めて再評価する。骨折が疑われれば画像診断につなぐ。
比較表
靱帯緊張する肢位損傷頻度主な検査
前距腓靱帯底屈+内返し最も多い前方引き出しテスト
踵腓靱帯中間位〜背屈での内返し次に多い(前距腓と合併)内反ストレステスト
後距腓靱帯背屈位まれ(強い外力時)
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