学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §31 アキレス腱断裂の固定 / QJ29A029

理由で解く 柔道整復師

QJ29A029 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問29
問題
アキレス腱断裂の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 足 MP 関節手前まで固定する。
2 膝関節は軽度屈曲位にする。
3 足関節は軽度背屈位にする。
4 固定期間は2週とする。
解答
正解1(足 MP 関節手前まで固定する。)
解説

正しいのは「足MP関節手前まで固定する」。足趾を固定の外に出しておくことで、循環・知覚・自動運動を観察でき、趾の拘縮も防げる。

アキレス腱断裂の保存療法では、切れた腱の断端を近づけて癒合させることが固定の目的になる。そのため足関節は最大底屈位とし、さらに腓腹筋が大腿骨顆部から起こる二関節筋であることを利用して、膝関節も屈曲位にして筋を緩める。固定範囲は大腿から足部までで、足側の端は足MP関節の手前にとどめる。足趾まで覆ってしまうと、趾の色調・腫脹・知覚・自動運動といった循環障害の手がかりが得られなくなるうえ、趾の拘縮も招く。固定期間は保存療法でおよそ6〜8週間が目安で、その間に底屈位から段階的に角度を戻し、装具や踵補高へ移行しながら荷重を進める。腱は血行に乏しく修復に時間がかかるため、経過に合わせて少しずつ進めることが再断裂を防ぐ最大の要点である。

✓ 1. 正しい
足 MP 関節手前まで固定する。
足趾を露出させることで、循環・知覚・自動運動を継続的に確認でき、趾の拘縮も避けられる。下腿・足部の固定に共通する原則である。
✗ 2. 誤り
膝関節は軽度屈曲位にする。
腓腹筋は膝をまたぐ二関節筋なので、軽度の屈曲では緩みが足りない。断端を確実に近づけるには、腓腹筋が十分にゆるむ屈曲位をとる必要がある。
✗ 3. 誤り
足関節は軽度背屈位にする。
背屈はアキレス腱を引き伸ばす方向で、断端を離してしまう。固定は足関節最大底屈位が原則である。
✗ 4. 誤り
固定期間は2週とする。
短すぎる。腱は血行に乏しく修復に時間を要するため、保存療法ではおよそ6〜8週間をかけ、底屈位から段階的に戻していく。2週で固定を外せば再断裂の危険が高い。
ポイント
  • 固定の目的は断端の接近——足関節最大底屈位+膝関節屈曲位で腓腹筋を緩める。
  • 固定範囲の遠位端は足MP関節手前。足趾を出して循環・知覚・運動を観察する。
  • 固定期間は保存療法でおよそ6〜8週間。底屈位から段階的に背屈方向へ戻す。
  • 診断はトンプソンテスト陽性、腱の陥凹、つま先立ち不能。
  • 復帰を急ぐと再断裂を招く。腱の修復過程に合わせて荷重と可動域を進める。
比較表
固定の要素設定理由
足関節最大底屈位断端を接近させる
膝関節屈曲位二関節筋である腓腹筋を弛緩させる
遠位端足MP関節手前足趾の観察と運動を確保する
期間おおむね6〜8週間腱の修復には時間を要する
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