学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §23 肩腱板損傷の診察 / QJ29A020

理由で解く 柔道整復師

QJ29A020 必修問題

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問20
問題
陳旧性の腱板損傷の症状でないのはどれか。
選択肢
1 肩関節の腫脹
2 大結節の圧痛
3 外転時の痛み
4 就寝中の痛み
解答
正解1(肩関節の腫脹)
解説

肩関節の腫脹は受傷直後(急性期)の所見であり、陳旧性=慢性期の腱板損傷ではみられません。これが本問の答えです。

腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の腱が上腕骨頭を包む構造で、損傷は棘上筋腱に最も多く起こります。急性期には腫脹・熱感・強い自発痛といった炎症所見が前面に出ますが、時間の経過とともにこれらは消退します。代わって慢性期に残るのが、大結節部の圧痛、外転60〜120度で痛む有痛弧(ペインフルアークサイン)、寝返りや就寝中に痛んで目が覚める夜間痛、そして棘上窩・棘下窩の筋萎縮です。ここが「陳旧性ではどうか」を問う本問の分かれ目になります。可動域制限を放置すると二次的な拘縮を招くので、痛みの出ない範囲での振り子運動や肩甲帯の運動を早期から継続し、腱板断裂が疑われる場合は画像評価のために医療機関へ紹介します。

✓ 1. これが答え(陳旧例ではみられない)
肩関節の腫脹
腫脹や熱感は受傷直後の炎症所見で、時間の経過とともに消退します。陳旧性の腱板損傷では前面に出てこない所見です。
✗ 2. みられる(答えではない)
大結節の圧痛
棘上筋腱の停止部である大結節部に圧痛が残るのは、陳旧例でも典型的にみられる所見です。
✗ 3. みられる(答えではない)
外転時の痛み
外転60〜120度で痛む有痛弧(ペインフルアークサイン)は慢性期にも持続する代表的な所見です。
✗ 4. みられる(答えではない)
就寝中の痛み
夜間痛は腱板損傷に特徴的で、陳旧例でこそ患者の主訴になりやすい症状です。
ポイント
  • 腱板=棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋。損傷は棘上筋腱に最も多い。
  • 急性期の所見=腫脹・熱感・強い自発痛。時間とともに消退する。
  • 陳旧期に残る所見=大結節の圧痛・有痛弧(外転60〜120度)・夜間痛・筋萎縮
  • 「炎症所見は引く、機能に由来する所見は残る」と整理すると急性/陳旧の切り分けが速い。
  • 拘縮を防ぐため痛みのない範囲の運動を継続し、断裂が疑われれば画像評価につなぐ。
比較表
所見急性期(受傷直後)陳旧性(慢性期)
腫脹・熱感ありみられない
大結節の圧痛ありあり
外転時痛(有痛弧)ありあり
夜間痛ありあり(主訴になりやすい)
棘上窩・棘下窩の筋萎縮目立たないあり
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