学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ28P101

理由で解く 柔道整復師

QJ28P101 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問101
問題
五十肩の病期分類にないのはどれか。
選択肢
1 炎症期
2 拘縮期
3 萎縮期
4 解氷期
解答
正解3(萎縮期)
解説

病期分類にないのは3の萎縮期です。五十肩は炎症期(freezing)→拘縮期(frozen)→解氷期(thawing)と進みます。

五十肩(凍結肩・肩関節周囲炎)は40〜60歳代に好発し、明らかな外傷がなく発症して長い経過ののち自然に軽快する疾患です。炎症期は滑膜炎が主体で夜間痛・安静時痛が強く、可動域制限は疼痛によるもの。拘縮期になると痛みは和らぐ代わりに関節包が線維化・収縮して可動域が固定的に狭くなります。解氷期には拘縮が緩み可動域が戻っていきます。時期によってやるべきことがほぼ正反対(炎症期は鎮痛と安静肢位、拘縮期以降は積極的な可動域運動)なので、病期の見極めがそのまま治療方針になります。

✓ 3. 分類にない(答え)
萎縮期
五十肩の病期を表す用語ではありません。長期の不動により三角筋などに筋萎縮が生じることはありますが、それは結果として起こる所見であって病期名ではない、という区別が要点です。
✗ 1. 分類にある(答えではない)
炎症期
freezing phase。疼痛が主体で夜間痛が強く、動かすと痛むため可動域が制限されます。
✗ 2. 分類にある(答えではない)
拘縮期
frozen phase。疼痛は軽減するが、関節包の線維化・癒着により可動域制限が固定します。
✗ 4. 分類にある(答えではない)
解氷期
thawing phase(回復期)。拘縮が徐々に緩み、可動域が回復していく時期です。

対応としては、炎症期は疼痛の出ない範囲での振り子運動と睡眠時の肢位の工夫で夜間痛を減らし、拘縮期以降は関節包のストレッチと肩甲胸郭の運動を段階的に進めます。

ポイント
  • 五十肩の病期は炎症期(freezing)→拘縮期(frozen)→解氷期(thawing)の3期。
  • 「萎縮期」は病期名ではない。筋萎縮は不動の結果として起こる所見。
  • 炎症期は夜間痛・安静時痛が主体。鎮痛と安静肢位が優先。
  • 拘縮期は痛みが軽くなる代わりに可動域制限が固定する。ストレッチが中心。
  • 病期を誤ると逆効果になる(炎症期の強い他動運動は痛みを長引かせる)。
比較表
病期疼痛可動域主な進め方
炎症期(freezing)夜間痛・安静時痛が強い疼痛による制限鎮痛、安静肢位、疼痛のない範囲の振り子運動
拘縮期(frozen)軽減する制限が固定(関節包の線維化)関節包ストレッチ、肩甲胸郭の運動
解氷期(thawing)ほぼ消失徐々に回復可動域と筋力の再獲得、日常動作への復帰
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