学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ28P087

理由で解く 柔道整復師

QJ28P087 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問87
問題
肩甲骨骨折の分類で誤っているのはどれか。
選択肢
1 頸部骨折
2 関節突起骨折
3 下角骨折
4 関節窩骨折
解答
正解2(関節突起骨折)
解説

設問は「誤っているもの」を探す形式です。肩甲骨に「関節突起」という部位はありません。関節突起は椎骨(上関節突起・下関節突起)や下顎骨(下顎頭を含む関節突起)にみられる名称です。

肩甲骨は、薄い板状の骨体と、そこから張り出す肩峰・烏口突起・肩甲棘、そして上腕骨頭を受ける関節窩と、その基部にあたる頸部から構成されます。骨折の分類はこの解剖学的な区分をそのまま用い、骨体部骨折、頸部骨折、関節窩骨折、肩峰骨折、烏口突起骨折、肩甲棘骨折、上角骨折・下角骨折に分けられます。したがって、分類名を問われたときは肩甲骨の各部位の名称を思い出せば判定できます。なお「関節突起」という名称自体は人体に存在します。椎骨の上関節突起・下関節突起がその代表で、下顎骨にも下顎頭を含む関節突起があり、下顎骨関節突起部骨折は顎部外傷として扱われる代表的な骨折です。ただし肩甲骨にはその名の部位がありません。肩甲骨骨折は厚い筋層に覆われた骨に強い直達外力が加わって生じることが多く、それだけの外力が働いた以上、周囲の損傷を必ず疑います。肋骨骨折、血気胸、肺挫傷、肩甲上神経損傷、上位肋骨骨折に伴う腕神経叢・鎖骨下血管の損傷などです。呼吸状態、上肢の感覚・運動、末梢の血流を確認し、疑わしければ医師の診療につなぎます。

✓ 2. これが答え(誤っている)
関節突起骨折
肩甲骨には関節突起という部位がありません。関節突起は椎骨の上関節突起・下関節突起や、下顎骨の関節突起(下顎頭を含む)にみられる名称です。肩甲骨で上腕骨頭を受けるのは関節窩で、その基部が頸部です。
✗ 1. 答えではない(分類に含まれる)
頸部骨折
関節窩の基部にあたる部位の骨折で、肩甲骨骨折の分類に含まれます。転位が大きいものは肩関節の安定性に影響します。
✗ 3. 答えではない(分類に含まれる)
下角骨折
肩甲骨の下端にあたる部位で、上角骨折とともに分類に含まれます。直達外力や筋の牽引で生じます。
✗ 4. 答えではない(分類に含まれる)
関節窩骨折
上腕骨頭を受ける関節面の骨折で、関節内骨折にあたります。転位が残ると関節面の不整から機能障害につながるため、医師の診断が必要です。
ポイント
  • 肩甲骨骨折の分類は解剖学的区分そのまま:骨体部・頸部・関節窩・肩峰・烏口突起・肩甲棘・上角/下角。
  • 「関節突起」は椎骨(上関節突起・下関節突起)や下顎骨(下顎頭を含む関節突起)にある名称。肩甲骨には存在しない。
  • 下顎骨関節突起部骨折は顎部外傷として扱われる代表的骨折。「関節突起=椎骨だけ」と覚えないこと。
  • 肩甲骨で上腕骨頭を受けるのは関節窩、その基部が頸部。名称を区別して覚える。
  • 肩甲骨骨折は強い直達外力で生じることが多く、肋骨骨折・血気胸・肺挫傷・神経血管損傷の合併を疑う。
  • 呼吸状態、上肢の感覚・運動、末梢の血流を確認し、異常があれば医師の診療につなぐ。
比較表
分類名部位
骨体部骨折肩甲骨の板状の本体
頸部骨折関節窩の基部
関節窩骨折上腕骨頭を受ける関節面(関節内骨折)
肩峰骨折/烏口突起骨折/肩甲棘骨折それぞれの突起部
上角骨折・下角骨折肩甲骨の上端・下端
(関節突起骨折)肩甲骨には該当部位なし。関節突起は椎骨(上・下関節突起)や下顎骨(下顎頭を含む関節突起)の名称
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