学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ28P085

理由で解く 柔道整復師

QJ28P085 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問85
問題
腰椎肋骨突起骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 第3腰椎に多い。
2 脊柱の運動制限がみられる。
3 患側股関節は内転位をとる。
4 直達外力では腎損傷の危険性が高い。
解答
正解3(患側股関節は内転位をとる。)
解説

設問は「誤っているもの」を探す形式です。腰椎肋骨突起(横突起)骨折では、患側の股関節は内転位ではなく、屈曲・外転位をとって痛みを避けます。

腰椎の肋骨突起には、腰方形筋・大腰筋・腹横筋・腰背筋群といった体幹の筋が付着しています。骨折が起こると、これらの筋の攣縮を最も緩められる肢位、すなわち股関節を軽く屈曲し外転した肢位を自然にとるようになります。逆に股関節を伸展したり内転したりすると、大腰筋や腰方形筋が引き伸ばされて痛みが強まるため、患者はその方向を嫌がります。第3腰椎の肋骨突起は最も長く外側へ張り出しており、背側からの直達外力でも、急激な筋収縮による裂離という介達外力でも損傷しやすい部位です。背側から直達外力を受けた場合は、同じ高さの後腹膜腔にある腎の損傷を必ず疑います。血尿の有無、側腹部の膨隆や圧痛、血圧・脈拍といった全身状態を確認し、疑わしければ直ちに医師の診療につなぎます。局所は疼痛を避ける肢位で安静を保ち、筋の攣縮が落ち着いてから段階的に体幹の運動を進めます。

✓ 3. これが答え(誤っている)
患側股関節は内転位をとる。
実際には大腰筋・腰方形筋の攣縮を緩めるため、患側の股関節は屈曲・外転位をとります。内転や伸展を強制すると付着筋が引き伸ばされて痛みが増します。
✗ 1. 答えではない(正しい記述)
第3腰椎に多い。
第3腰椎の肋骨突起が最も長く外側へ張り出しており、直達外力・介達外力のいずれでも損傷を受けやすいためです。
✗ 2. 答えではない(正しい記述)
脊柱の運動制限がみられる。
疼痛と付着筋の攣縮により、体幹の前後屈・側屈・回旋が制限されます。特に患側と反対方向への側屈で痛みが強まります。
✗ 4. 答えではない(正しい記述)
直達外力では腎損傷の危険性が高い。
腎は同じ高さの後腹膜腔にあるため、背側からの直達外力では腎損傷を伴う危険があります。血尿・側腹部の膨隆・全身状態を確認して医師につなぎます。
ポイント
  • 好発は第3腰椎。肋骨突起が最も長く外側に張り出しているため。
  • 患側は股関節を屈曲・外転位にして大腰筋・腰方形筋の緊張を緩める。内転位ではない。
  • 疼痛と筋攣縮で体幹の前後屈・側屈・回旋が制限される。
  • 直達外力では腎損傷の合併に注意。血尿・側腹部の膨隆・全身状態を確認して医師へつなぐ。
  • 急性期は疼痛を避ける肢位で安静を保ち、攣縮が落ち着いてから段階的に運動を再開する。
比較表
項目腰椎肋骨突起骨折での所見
好発部位第3腰椎(肋骨突起が最も長い)
疼痛を避ける肢位患側股関節を屈曲・外転位
運動体幹の前後屈・側屈・回旋が制限される
受傷機転背側からの直達外力/急激な筋収縮による裂離(介達外力)
注意すべき合併損傷腎損傷(血尿・側腹部の膨隆を確認)
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