学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P072

理由で解く 柔道整復師

QJ28P072 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問72
問題
骨リモデリングに関与しないのはどれか。
選択肢
1 年齢
2 転位の形状
3 骨折部位
4 疼痛の程度
解答
正解4(疼痛の程度)
解説

設問は「関与しないもの」を探す形式です。自家矯正(リモデリング)の可否を決めるのは年齢・骨折部位・転位の型と方向であり、痛みの強さは無関係です。

リモデリングは、骨が加わる力に応じて形を変えるというWolffの法則に沿って進みます。荷重や応力が集中する側には骨が付加され、力のかからない側は破骨細胞に吸収される。この付加と吸収の繰り返しで、変形した骨が力学的に無理のない形へ近づいていきます。したがって、成長が残っているほど、すなわち年齢が若いほど矯正力は旺盛です。骨端線に近い骨折ほど、成長軟骨板での縦方向の成長が変形の是正に加わるので有利になります。転位は型ごとに見込みが異なります。側方転位は比較的よく矯正されます。屈曲(角状)転位は、関節運動の方向と一致するものなら日常の運動で応力が適切にかかり続けるため矯正されますが、関節運動と異なる方向の屈曲転位は残りやすくなります。捻転(回旋)転位と短縮転位は応力の向きが矯正に働かず、ほとんど矯正されません。疼痛は炎症や軟部組織損傷の強さを反映する症状で、骨にかかる応力の分布とは無関係です。だから矯正の進み方を左右しません。

✓ 4. これが答え(関与しない)
疼痛の程度
疼痛は炎症反応や軟部組織損傷の強さを表す症状で、骨にかかる応力の分布とは結びつきません。痛みが強い骨折ほど矯正されやすい、といった関係はありません。
✗ 1. 答えではない(関与する)
年齢
年齢が若いほど残された成長期間が長く、リモデリングが旺盛です。逆に骨端線が閉鎖した年齢では、変形はほとんど残ります。
✗ 2. 答えではない(関与する)
転位の形状
転位は型によって矯正の見込みがはっきり違います。側方転位は矯正されやすく、屈曲(角状)転位は関節運動の方向と一致するものが矯正されやすい一方、関節運動と異なる方向の屈曲転位は残りやすく、捻転(回旋)転位・短縮転位は矯正されにくいのが原則です。転位の型と方向は矯正の見込みを左右する主要因です。
✗ 3. 答えではない(関与する)
骨折部位
骨端線に近い骨折ほど成長による是正が加わって矯正されやすく、骨幹部中央では乏しくなります。同じ角度の変形でも部位で見込みが変わります。
ポイント
  • 自家矯正を決めるのは「年齢(残された成長期間)」「骨折部位(骨端線からの距離)」「転位の型と方向」。
  • 側方転位は矯正されやすい。
  • 屈曲(角状)転位は関節運動の方向と一致するものが矯正されやすく、関節運動と異なる方向のものは残りやすい。
  • 捻転(回旋)転位・短縮転位は矯正されにくい。側方・屈曲・捻転・短縮・延長はそれぞれ別個の転位型として区別する。
  • 原理はWolffの法則。応力のかかる側に骨が付加され、かからない側が吸収される。
  • 疼痛の程度・腫脹の強さといった炎症所見は、骨の応力分布と無関係で矯正には関与しない。
  • 矯正が期待できない転位(特に捻転=回旋)は初回の整復でしっかり戻しておくことが重要。
比較表
因子自家矯正への影響
年齢若いほど旺盛。骨端線閉鎖後はほとんど期待できない
骨折部位骨端線に近いほど矯正されやすい。骨幹部中央では乏しい
転位の型・方向:側方転位矯正されやすい
転位の型・方向:屈曲(角状)転位関節運動の方向と一致するものは矯正されやすい/異なる方向のものは残りやすい
転位の型・方向:捻転(回旋)転位・短縮転位矯正されにくい
疼痛の程度関与しない
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