学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ28P068

理由で解く 柔道整復師

QJ28P068 柔道整復理論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問68
問題
骨折の固有症状はどれか。
選択肢
1 圧痛
2 皮下出血斑
3 転位
4 機能障害
解答
正解3(転位)
解説

骨折の固有症状は「転位(変形)」「異常可動性」「軋轢音」の3つ。圧痛・腫脹・皮下出血斑・機能障害は、捻挫や打撲でも起こる一般外傷症状です。

骨が連続性を失って2つ以上の骨片に分かれると、外力の方向と筋の牽引に従って骨片が本来の位置からずれます。これが転位で、外見上の変形や短縮として現れます。骨のないはずの部位が動く異常可動性も、骨片同士がこすれて伝わる軋轢音も、すべて「骨が離断した」ことから直接生まれる現象です。だからこの3つは骨折以外では原則起こらず、確認できれば骨折の確定に大きく近づきます。逆に圧痛や腫脹は、組織が壊れれば何であっても生じるため、これだけでは骨折と断定できません。ただし異常可動性や軋轢音をわざわざ誘発する操作は、骨片で血管・神経を傷つける危険があります。限局性圧痛や介達痛(軸圧痛・叩打痛)といった安全な所見で骨折を疑い、医師の画像診断につなぐのが実際の進め方です。

✓ 3. 正しい
転位
骨片が本来の位置からずれた状態で、骨の連続性が断たれて初めて生じます。変形・短縮・軸の偏位として観察でき、異常可動性・軋轢音とともに骨折の固有症状に数えられます。
✗ 1. 誤り
圧痛
骨折線に一致した限局性圧痛は診断上とても有用ですが、捻挫・打撲・腱損傷でも生じます。骨折に固有の所見ではなく、一般外傷症状に分類されます。
✗ 2. 誤り
皮下出血斑
出血が組織の間を伝って皮下に現れたもので、打撲や靱帯損傷でもみられます。受傷直後には出ず、数日たってから重力方向に広がって現れることも多く、骨折に特有とはいえません。
✗ 4. 誤り
機能障害
疼痛による運動制限、筋・腱の断裂、神経損傷などでも生じます。骨折でほぼ必発ではあっても、骨折だけに現れる症状ではないため一般外傷症状です。
ポイント
  • 固有症状は「転位(変形)・異常可動性・軋轢音」の3つ。これは骨が離断したことから直接生じる現象。
  • 一般外傷症状は「疼痛(圧痛)・腫脹・皮下出血斑・機能障害」。骨折以外の軟部組織損傷でも起こる。
  • 異常可動性・軋轢音は無理に確かめない。骨片で血管・神経を傷つける危険があるため、限局性圧痛や介達痛(軸圧痛・叩打痛)で疑い、医師の画像診断につなぐ。
  • 不全骨折(亀裂骨折・若木骨折・竹節状骨折など)では固有症状が出ない。一般症状しかなくても骨折を否定しないこと。
比較表
区分含まれる症状成り立ち
固有症状転位(変形・短縮)/異常可動性/軋轢音骨の連続性が断たれたことから直接生じる
一般外傷症状疼痛(圧痛・介達痛)/腫脹/皮下出血斑/機能障害組織が損傷されれば骨折以外でも生じる
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