学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ28P038

理由で解く 柔道整復師

QJ28P038 一般臨床医学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問38
問題
鉄欠乏性貧血の症状でないのはどれか。
選択肢
1 頻脈
2 異食症
3 ばち指
4 易疲労感
解答
正解3(ばち指)
解説

ばち指は慢性の低酸素や循環障害でみられる所見です。鉄欠乏性貧血で特徴的な爪の変化は、反り返る匙状爪(スプーンネイル)のほうです。

鉄欠乏性貧血ではヘモグロビンが減って酸素運搬能が落ちるため、体はこれを補おうとして心拍数を上げます。その結果、頻脈・動悸・労作時息切れ・易疲労感・めまい・顔面蒼白といった、貧血に共通する症状が現れます。さらに鉄は爪や粘膜の細胞にも必要なので、鉄欠乏では爪がもろくなって中央がへこみ反り返る匙状爪、舌炎、口角炎、嚥下障害(プランマー・ヴィンソン症候群)といった鉄欠乏に特有の所見が加わります。氷などを無性に食べたくなる異食症(氷食症)も鉄欠乏らしい症状です。一方ばち指は指尖部が太鼓のばちのように膨らみ爪の角度が鈍くなる変化で、慢性的な低酸素・循環障害を背景に生じます。

✓ 3. これが答え(鉄欠乏性貧血の症状ではない)
ばち指
慢性呼吸器疾患、チアノーゼ性心疾患、感染性心内膜炎、肝疾患、炎症性腸疾患などでみられる所見です。鉄欠乏性貧血で特徴的な爪の変化は匙状爪(スプーンネイル)です。
✗ 1. 鉄欠乏性貧血でみられる(答えではない)
頻脈
酸素運搬能の低下を心拍数を上げて補おうとするため、頻脈・動悸が生じます。
✗ 2. 鉄欠乏性貧血でみられる(答えではない)
異食症
氷や土などを無性に食べたくなる症状で、氷食症が代表的です。鉄欠乏に特徴的な訴えとして知られています。
✗ 4. 鉄欠乏性貧血でみられる(答えではない)
易疲労感
組織への酸素供給が不足するため、だるさ・疲れやすさ・労作時息切れが出ます。貧血に共通する症状です。
ポイント
  • 鉄欠乏性貧血=小球性低色素性貧血。血清鉄低下・フェリチン低下・総鉄結合能(TIBC)上昇。
  • 貧血共通の症状:易疲労感、労作時息切れ、動悸・頻脈、めまい、顔面蒼白。
  • 鉄欠乏に特徴的:匙状爪、舌炎、口角炎、嚥下障害(プランマー・ヴィンソン症候群)、異食症(氷食症)
  • ばち指は慢性低酸素・循環障害の所見(慢性肺疾患、チアノーゼ性心疾患、感染性心内膜炎、肝疾患など)。
  • 成人男性や閉経後女性の鉄欠乏では消化管出血など原因検索が必要。原因を確かめずに鉄剤だけで済ませない。
比較表
匙状爪(スプーンネイル)ばち指
形態爪が薄くもろく、中央がへこみ反り返る指尖部が膨らみ、爪の角度が鈍化する
背景鉄欠乏慢性の低酸素・循環障害
代表疾患鉄欠乏性貧血慢性呼吸器疾患、チアノーゼ性心疾患、感染性心内膜炎、肝硬変
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