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理由で解く 柔道整復師

QJ28A128 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問128
問題
扁平上皮癌でみられるのはどれか。
選択肢
1 印環細胞
2 癌真珠
3 腺腔形成
4 粘液産生
解答
正解2(癌真珠)
解説

扁平上皮癌の細胞は角化しようとする性質を残しており、角化物が同心円状に積み重なった癌真珠(角化真珠)を形成します。

癌の組織型は「もとの上皮が何をしていたか」を思い出せば判別できます。扁平上皮は皮膚のように角化して体表を守るのが仕事なので、そこから生じた扁平上皮癌では角化の名残として癌真珠が現れ、細胞どうしをつなぐ細胞間橋も観察されます。発生部位は皮膚、口腔・咽頭・喉頭、食道、子宮頸部、そして扁平上皮化生を起こした肺(気管支)などです。一方、腺上皮は分泌が仕事なので、そこから生じた腺癌では管腔(腺腔)をつくろうとしたり粘液を産生したりします。粘液が細胞内にたまって核を辺縁に押しやると印環細胞となり、胃の低分化腺癌などでみられます。この「角化=扁平上皮癌/分泌=腺癌」という対比を軸に覚えると、所見から組織型を答える問題に強くなります。

✓ 2. 正しい
癌真珠
扁平上皮癌の胞巣の中心で角化した細胞が同心円状に層をなし、真珠のように見える構造です。扁平上皮の角化能を反映した所見で、細胞間橋とともに扁平上皮癌を示す代表的な形態学的特徴です。
✗ 1. 誤り
印環細胞
細胞質に粘液がたまり、核が細胞の辺縁に押しやられて指輪(印環)のように見える細胞で、印環細胞癌(胃に多い低分化型の腺癌)でみられます。粘液産生を伴う所見であり、扁平上皮癌の特徴ではありません。
✗ 3. 誤り
腺腔形成
腫瘍細胞が管腔(腺腔)をつくる所見で、腺上皮由来の腺癌を示します。分泌する構造をつくろうとする性質の表れであり、角化を特徴とする扁平上皮癌とは対照的です。
✗ 4. 誤り
粘液産生
粘液を作るのは腺上皮の機能であり、これがみられるのは腺癌(粘液癌、印環細胞癌など)です。扁平上皮癌では粘液産生はみられません。
ポイント
  • 扁平上皮癌の所見=癌真珠(角化真珠)細胞間橋。もとの上皮の「角化」を反映する。
  • 扁平上皮癌の好発部位=皮膚、口腔・咽頭・喉頭、食道、子宮頸部、扁平上皮化生を起こした気管支。
  • 腺癌の所見=腺腔形成・粘液産生。もとの上皮の「分泌」を反映する。
  • 印環細胞=細胞内の粘液で核が辺縁に押しやられた細胞。胃の低分化腺癌(印環細胞癌)に特徴的。
  • 組織像の問題は「もとの上皮の仕事は角化か分泌か」を先に決めてから所見を当てはめる。
比較表
所見示す組織型反映している性質
癌真珠(角化真珠)・細胞間橋扁平上皮癌角化
腺腔形成・粘液産生腺癌分泌
印環細胞印環細胞癌(低分化型腺癌、胃に多い)細胞内粘液の貯留
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