学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §1 病理学の意義 / QJ28A116

理由で解く 柔道整復師

QJ28A116 病理学概論

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問116
問題
犯罪性のない異状死に対して死因の究明を目的に監察医が行う解剖はどれか。
選択肢
1 系統解剖
2 病理解剖
3 司法解剖
4 行政解剖
解答
正解4(行政解剖)
解説

監察医が、犯罪性のない異状死について死因を明らかにする目的で行う解剖は行政解剖です。死体解剖保存法にもとづき、監察医が置かれた地域で行われます。

解剖は「何のために行うか」で整理すると混乱しません。まず系統解剖は医学教育のために正常な体の構造を学ぶ解剖、病理解剖は病気で亡くなった方について診断の妥当性・治療効果・死因を検証する解剖で、どちらも「異状死」を扱う解剖ではありません。残る2つが異状死を扱う解剖で、分かれ目は犯罪性が疑われるかどうかです。犯罪に関係する疑いがあれば裁判官の令状にもとづいて法医学者が行う司法解剖、犯罪性はないが死因が不明という場合に監察医が公衆衛生上の目的で行うのが行政解剖です。設問文の「犯罪性のない」「死因の究明」「監察医」という3語がそのまま行政解剖の定義になっている、と読めれば即答できます。

✓ 4. 正しい
行政解剖
監察医が、犯罪性のない異状死体について死因を明らかにするために行う解剖です。死体解剖保存法を根拠とし、遺族の承諾がなくても実施できる点が特徴です。設問の条件(犯罪性なし・死因究明・監察医)とすべて一致します。
✗ 1. 誤り
系統解剖
医学生などが人体の正常な構造を学ぶために、献体された遺体を用いて大学の解剖学教室で行う解剖です。目的が「教育」であり、死因の究明ではありません。
✗ 2. 誤り
病理解剖
病院などで病死した患者について、臨床診断が正しかったか、治療がどう効いたか、直接の死因は何かを検証するために病理医が行う解剖です。遺族の承諾が必要で、対象は「異状死」ではなく病死例です。
✗ 3. 誤り
司法解剖
犯罪に関係する疑いのある死体について、裁判官の発する令状にもとづいて法医学者が行う解剖です。実施するのは監察医ではなく、また前提が「犯罪性がある(疑われる)」なので、設問の「犯罪性のない」と真逆になります。
ポイント
  • 行政解剖=監察医が、犯罪性のない異状死の死因究明のために行う(死体解剖保存法)。
  • 司法解剖=犯罪性が疑われる死体について、裁判官の令状にもとづき行う。遺族の承諾は不要。
  • 病理解剖=病死した患者の死因・診断・治療効果の検証。遺族の承諾が必要。
  • 系統解剖=医学教育のために正常構造を学ぶ解剖。献体によって行う。
  • 選択肢を見たら「教育か/診療の検証か/犯罪ありか/犯罪なしか」の4分岐に当てはめて選ぶ。
比較表
解剖の種類目的誰が行うか対象
系統解剖医学教育(正常構造の学習)大学の解剖学教室献体された遺体
病理解剖死因・診断・治療効果の検証病理医病死した患者(遺族の承諾)
司法解剖犯罪の捜査・証明法医学者(裁判官の令状)犯罪性が疑われる死体
行政解剖死因の究明(公衆衛生上の目的)監察医犯罪性のない異状死体
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