学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §5 姿勢 / QJ28A106

理由で解く 柔道整復師

QJ28A106 運動学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問106
問題
解剖学的立位姿勢で正しいのはどれか。
選択肢
1 顔面を上方に向ける。
2 踵を離す。
3 つま先を閉じる。
4 前腕を回外する。
解答
正解4(前腕を回外する。)
解説

解剖学的立位姿勢は、前腕を回外して手掌を前方に向けた直立姿勢である。したがって正解は4。

解剖学的立位姿勢(解剖学的正位)は、身体各部の位置関係や関節運動の方向・角度を言いあらわすときの共通のものさしとなる姿勢で、関節可動域測定の0度(基本肢位)もここを起点とする。両足のつま先を前方に向けて両踵を接し、顔は正面を向け、上肢は体側に下垂させる。ここまでは基本的立位姿勢とまったく同じで、違うのは前腕だけである。基本的立位姿勢が前腕中間位(手掌が体側を向く)なのに対し、解剖学的立位姿勢では前腕を回外し、手掌を前方に向ける。なぜわざわざ回外位を基準にするかというと、回外位では橈骨と尺骨が交差せず平行に並ぶため、「橈側=外側、尺側=内側」という前腕の内外側の呼び方が姿勢によってひっくり返らずに済むからである。基準姿勢は「覚える決まりごと」ではなく、記述が矛盾しないように選ばれた姿勢だと理解しておくとよい。

✓ 4. 正しい
前腕を回外する。
前腕を回外して手掌を前方に向けるのが、解剖学的立位姿勢を定義づける要点である。基本的立位姿勢との唯一の相違点でもあり、この一点を押さえれば両者を区別できる。実際に「気をつけ」の姿勢から手のひらだけを前に返してみると、前腕が回外し橈骨と尺骨が平行に並ぶのが確認できる。
✗ 1. 誤り
顔面を上方に向ける。
顔は前方(正面)に向け、両眼で水平に前方を見る。上方を向けると頭頸部が伸展位となり、頸椎の屈曲・伸展を測るときの0度がずれてしまう。基準姿勢では頭部も中間位に置くと覚える。
✗ 2. 誤り
踵を離す。
両踵は接する(そろえる)。踵を左右に離すと股関節が外転位となり、下肢の内転・外転を測るときの0度が定まらない。足はそろえて直立させる、と姿勢ごと覚えておく。
✗ 3. 誤り
つま先を閉じる。
つま先は前方に向ける(両足はほぼ平行)。つま先を内側に閉じると股関節が内旋位となり、下肢の回旋0度から外れる。踵は接する・つま先は前方、とセットで押さえる。
ポイント
  • 解剖学的立位姿勢=直立し、顔は正面、両踵を接してつま先は前方、上肢は体側に下垂、前腕は回外(手掌が前方)
  • 基本的立位姿勢との違いは前腕だけ。基本的=前腕中間位(手掌が体側)、解剖学的=前腕回外(手掌が前方)。
  • 回外位にすると橈骨と尺骨が平行に並び、橈側=外側/尺側=内側という位置の呼び方が崩れない。これが回外を基準にする理由。
  • この姿勢が関節可動域測定の0度(基本肢位)。ただし前腕の回内・回外を測るときだけは中間位(手掌が体側)を0度とする。
  • 迷ったら「気をつけ」から手のひらだけを前に返す、と実際に手を動かして確かめる習慣をつけると取り違えない。
比較表
部位基本的立位姿勢解剖学的立位姿勢
頭・顔正面(前方)を向く正面(前方)を向く
体幹直立直立
上肢体側に下垂体側に下垂
前腕・手掌中間位/手掌は体側(内方)を向く回外位/手掌は前方を向く
両踵を接し、つま先は前方両踵を接し、つま先は前方
主な用途身体運動(面・軸・関節運動)を記述するときの基準姿勢。前腕の肢位はROMの回内・回外0度(中間位)と一致する位置・方向の記載と、関節可動域測定の基本肢位(0度)。ただし前腕の回内・回外のみ中間位を0度とする
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