学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ28A105

理由で解く 柔道整復師

QJ28A105 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問105
問題
左下肢の温度覚を伝える線維が上行する部位はどれか。
選択肢
1 左側の脊髄後索
2 左側の脊髄前側索
3 右側の脊髄後索
4 右側の脊髄前側索
解答
正解4(右側の脊髄前側索)
解説

温度覚は外側脊髄視床路を通る。線維は脊髄後角でニューロンを換え、白交連で反対側へ交叉してから上行するため、左下肢の温度覚は右側の脊髄前側索を上行する。

温痛覚を伝える一次求心線維(Aδ線維・C線維)は後根から脊髄に入り、同じ髄節あるいは1〜2髄節上行したのち後角で二次ニューロンにシナプスする。二次ニューロンの軸索は中心管の前方にある白交連を通って反対側へ交叉し、前側索を走る外側脊髄視床路として上行して視床に達する。つまり温痛覚は脊髄の高さで交叉する。これに対し触圧覚・振動覚・位置覚を伝える後索路は同側の後索をそのまま上行し、延髄の後索核ではじめてニューロンを換えて内側毛帯として交叉する。この交叉する高さの違いが、脊髄半側切断(Brown‐Séquard症候群)で温痛覚の障害側と深部感覚・運動麻痺の側が食い違う理由である。設問を解くときは「感覚の種類 → 通る路 → 交叉の高さ → 左右どちら側」の順に確認していくと確実である。

✓ 4. 正しい
右側の脊髄前側索
温度覚は後角で二次ニューロンに換わり、白交連で交叉したうえで対側の前側索を外側脊髄視床路として上行する。左下肢由来であれば右側を上行することになる。
✗ 1. 誤り
左側の脊髄後索
後索を同側上行する点は正しいが、後索が伝えるのは触圧覚・振動覚・位置覚などの識別性感覚であり、温度覚は通らない。
✗ 2. 誤り
左側の脊髄前側索
上行する索の名称は合っているが、左右が異なる。温痛覚は脊髄内で交叉するため、左下肢の温度覚が左側の前側索を上行することはない。
✗ 3. 誤り
右側の脊髄後索
後索は交叉せずに上行するため、右側の後索を通るのは右半身由来の線維である。加えて後索は温度覚を伝えない。
ポイント
  • 温痛覚:後角で乗り換え → 白交連で交叉 → 対側の前側索を外側脊髄視床路として上行。
  • 触圧覚・深部感覚:同側の後索を上行 → 延髄の後索核で乗り換え → 内側毛帯として交叉。
  • 交叉する高さの違いが要点。温痛覚は脊髄、深部感覚は延髄で交叉する。
  • 前側索の内訳を混同しない。外側脊髄視床路=温度覚・痛覚前脊髄視床路=粗大な触圧覚
  • 後索の内訳は、下肢由来が内側の薄束、上肢由来が外側の楔状束。
  • Brown‐Séquard症候群では、同側に運動麻痺と深部感覚障害、対側に温痛覚障害が出る。
  • 解答手順:感覚の種類を決める → 通る路を決める → 交叉の高さを確認する → 左右を決める。
比較表
項目前側索(外側脊髄視床路+前脊髄視床路)後索‐内側毛帯路(後索)
伝える感覚温度覚・痛覚(外側脊髄視床路)/粗大な触圧覚(前脊髄視床路)触圧覚・振動覚・位置覚(深部感覚)
二次ニューロンへの乗り換え脊髄後角延髄の後索核(薄束核・楔状束核)
交叉する部位脊髄の白交連延髄(内側毛帯交叉)
脊髄を上行する側反対側(対側)同側
左下肢からの入力右側の前側索左側の後索(薄束)
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