学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ28A103

理由で解く 柔道整復師

QJ28A103 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問103
問題
ゴルジ腱紡錘(腱器官)を受容器とするのはどれか。
選択肢
1 足底反射
2 アキレス腱反射
3 バビンスキー反射
4 折りたたみナイフ反射
解答
正解4(折りたたみナイフ反射)
解説

ゴルジ腱紡錘(腱器官)を受容器とするのは折りたたみナイフ反射である。腱器官が過大な張力を感知し、Ib線維を介して収縮中の筋を抑制する(自原抑制)ことで説明される。

腱器官は腱と筋の移行部にあり、筋が発生している張力を感知するセンサーである。求心線維はIb線維で、脊髄内で抑制性介在ニューロンを介して同じ筋のα運動ニューロンを抑制する(自原抑制・Ib抑制)。痙縮のある四肢を他動的に伸ばしていくと、はじめは伸張反射によって強い抵抗が生じるが、張力がある水準を超えると急に抵抗が消え、折りたたみナイフを畳むような感触になる。この抵抗の消失に腱器官からのIb抑制が関与するとされる。一方、名前に「腱」が付くアキレス腱反射の受容器は筋紡錘である。反射の名称ではなく、何が刺激され何を感知しているかで受容器を判断するとよい。

✓ 4. 正しい
折りたたみナイフ反射
痙縮のある四肢を他動伸展したとき、途中で急に抵抗が消える現象。過大な張力を腱器官(ゴルジ腱紡錘)が感知し、Ib線維を介して収縮中の筋を抑制することで生じる。受容器が腱器官である唯一の選択肢。
✗ 1. 誤り
足底反射
足底の皮膚を刺激して起こる皮膚反射で、受容器は皮膚の機械受容器・侵害受容器。正常では足趾が底屈する。腱器官は関与しない。
✗ 2. 誤り
アキレス腱反射
叩くのは腱だが、実際に感知しているのは腱が伸びたことで引き伸ばされた下腿三頭筋の筋紡錘である。Ia線維を介した単シナプス性の伸張反射で、腱器官が主役ではない。
✗ 3. 誤り
バビンスキー反射
足底の外側をこする皮膚刺激で誘発される。錐体路障害があると母趾が背屈する病的反射であり、受容器は皮膚で腱器官ではない。
ポイント
  • 腱器官(ゴルジ腱紡錘)=腱‐筋移行部にある張力センサー。求心線維はIb、働きは自原抑制。
  • 筋紡錘=筋腹内にある長さ(伸張)センサー。求心線維はIa・II、働きは伸張反射(腱反射)。
  • 「腱反射」という名称でも受容器は筋紡錘。名称ではなく感知している刺激で判断する。
  • 折りたたみナイフ現象は痙縮=上位運動ニューロン障害を示唆する所見。
  • 足底反射・バビンスキー反射はいずれも皮膚を受容器とする皮膚反射。
比較表
反射刺激受容器求心線維反応
折りたたみナイフ反射痙縮肢の他動伸展(張力上昇)腱器官(ゴルジ腱紡錘)Ib抵抗が急に消失(自原抑制)
アキレス腱反射アキレス腱の叩打(筋の伸張)筋紡錘Ia下腿三頭筋の収縮(足の底屈)
足底反射足底の皮膚刺激皮膚受容器皮膚求心線維正常では足趾の底屈
バビンスキー反射足底外側をこする皮膚受容器皮膚求心線維錐体路障害で母趾背屈(病的反射)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。