学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ28A102

理由で解く 柔道整復師

QJ28A102 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問102
問題
骨格筋の収縮時に長さが変わらないのはどれか。
選択肢
1 A帯
2 H帯
3 I帯
4 筋節
解答
正解1(A帯)
解説

収縮しても長さが変わらないのはA帯である。A帯の長さは太いフィラメント(ミオシン)そのものの長さで決まり、フィラメント自体は短くならないためである。

骨格筋の収縮は滑り込み説(滑走説)で説明される。ATPを使ってミオシン頭部が首を振り、細いフィラメント(アクチン)を太いフィラメントの間へたぐり寄せる。このときフィラメントそのものの長さは変化せず、重なり合う範囲だけが増える。したがって太いフィラメントの存在範囲そのものであるA帯は不変である。一方、細いフィラメントが届いていないA帯中央のH帯は狭くなり、細いフィラメントだけからなるI帯も短くなり、Z線からZ線までの筋節(サルコメア)も短縮する。この筋節の短縮の総和が筋全体の短縮となる。本問には図が付されているが、上記の関係を理解していれば図に頼らずに判断できる。

✓ 1. 正しい
A帯
A帯(暗帯)は太いフィラメントが存在する範囲そのものである。滑走説ではフィラメント自体が短縮することはないため、収縮しても長さは変わらない。四つの中で唯一の不変構造。
✗ 2. 誤り
H帯
H帯はA帯の中央部で、細いフィラメントがまだ届いていない領域。収縮でアクチンが中央へ滑り込むと狭くなり、強い収縮では消失することもある。
✗ 3. 誤り
I帯
I帯(明帯)はZ線を挟んで細いフィラメントだけが存在する部分。太いフィラメントとの重なりが増える分だけ短くなる。
✗ 4. 誤り
筋節
筋節はZ線からZ線までで、収縮の機能単位。両側のZ線が中央へ引き寄せられて短くなり、その総和が筋全体の短縮となる。
ポイント
  • 滑走説では、フィラメント自体の長さは変わらず、重なり合う範囲だけが変化する。
  • A帯=太いフィラメント(ミオシン)の長さで決まる → 収縮しても不変。
  • H帯・I帯・筋節はいずれも短縮する(H帯は強収縮で消失しうる)。
  • 位置関係:I帯の中央にZ線、A帯の中央にH帯、H帯の中央にM線。
  • 暗帯=A帯(複屈折性 anisotropic)、明帯=I帯(isotropic)。頭文字で対応づけて覚える。
比較表
構造含まれるフィラメント目印収縮時の長さ
A帯(暗帯)太い(+重なり部の細い)中央にH帯・M線変わらない
H帯太いのみA帯の中央狭くなる(消失することもある)
I帯(明帯)細いのみ中央にZ線短くなる
筋節(サルコメア)太い+細いZ線〜Z線短くなる
キーワード
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。