学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ28A100

理由で解く 柔道整復師

QJ28A100 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問100
問題
アドレナリン作動性線維はどれか。
選択肢
1 交感神経の節前線維
2 副交感神経の節前線維
3 交感神経の節後線維
4 副交感神経の節後線維
解答
正解3(交感神経の節後線維)
解説

自律神経のうち、ノルアドレナリンを伝達物質とするアドレナリン作動性線維は交感神経の節後線維である。それ以外の三つはいずれもアセチルコリンを放出するコリン作動性線維である。

自律神経は中枢から効果器まで、節前線維と節後線維の二段構えで伝わる。節前線維は交感神経・副交感神経ともにアセチルコリンを放出し、節後ニューロンのニコチン性アセチルコリン受容体に作用する。副交感神経の節後線維もアセチルコリンを放出し、効果器のムスカリン性受容体に作用する。つまり四つのうち三つはコリン作動性で、唯一、交感神経の節後線維だけがノルアドレナリンを放出してα受容体・β受容体に作用する。これがアドレナリン作動性線維である。例外も重要で、汗腺(エクリン腺)を支配する交感神経節後線維はアセチルコリンを放出するコリン作動性であり、緊張時の発汗が抗コリン薬で抑えられる理由になる。また副腎髄質は交感神経節後細胞に相当する組織が変化したもので、節前線維に直接支配され、アセチルコリンの刺激を受けてアドレナリンを血中へ放出する。まず「節前はすべてアセチルコリン」と押さえ、次に「節後は交感だけノルアドレナリン、ただし汗腺は例外」と重ねていくと、混同せずに整理できる。

✓ 3. 正しい
交感神経の節後線維
ノルアドレナリンを放出し、効果器のα受容体・β受容体に作用するアドレナリン作動性線維である。血管収縮、心拍数増加、気管支拡張、瞳孔散大などの反応をもたらす(汗腺への線維のみコリン作動性という例外がある)。
✗ 1. 誤り
交感神経の節前線維
交感神経であっても節前線維はアセチルコリンを放出し、節後ニューロンのニコチン性受容体に作用するコリン作動性線維である。
✗ 2. 誤り
副交感神経の節前線維
こちらもアセチルコリンを放出するコリン作動性線維である。節前線維は交感・副交感を問わずすべてアセチルコリンと覚えてよい。
✗ 4. 誤り
副交感神経の節後線維
アセチルコリンを放出し、効果器のムスカリン性受容体に作用するコリン作動性線維である。心拍数減少、消化管運動促進、縮瞳などをもたらす。
ポイント
  • 節前線維は交感・副交感ともにアセチルコリン(ニコチン性受容体)。
  • 副交感神経の節後線維もアセチルコリン(ムスカリン性受容体)。
  • アドレナリン作動性=交感神経の節後線維のみ(ノルアドレナリン、α・β受容体)。
  • 例外1:汗腺(エクリン腺)を支配する交感神経節後線維はコリン作動性。
  • 例外2:副腎髄質は節前線維に直接支配され、アセチルコリン刺激でアドレナリンを血中へ放出する。
比較表
線維伝達物質受容体分類
交感神経 節前線維アセチルコリンニコチン性コリン作動性
交感神経 節後線維ノルアドレナリンα、βアドレナリン作動性
交感神経 節後線維(汗腺)アセチルコリンムスカリン性コリン作動性(例外)
副交感神経 節前線維アセチルコリンニコチン性コリン作動性
副交感神経 節後線維アセチルコリンムスカリン性コリン作動性
副腎髄質(節前線維に直接支配)アドレナリンを血中へニコチン性節後細胞に相当
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