学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ28A099

理由で解く 柔道整復師

QJ28A099 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問99
問題
伝導速度が最も速いのはどれか。
選択肢
1 侵害受容器からの求心性線維
2 温受容器からの求心性線維
3 筋紡錘からの求心性線維
4 自律神経遠心性線維
解答
正解3(筋紡錘からの求心性線維)
解説

神経線維の伝導速度は太さと髄鞘の有無で決まる。筋紡錘からの求心性線維(Ia群、Aα)は最も太い有髄線維で、伝導速度が最も速い。

伝導速度が速い条件は二つ、直径が太いことと有髄であることである。有髄線維では興奮がランビエ絞輪を跳び越えて伝わる跳躍伝導が起こるため、無髄線維よりはるかに速い。感覚(求心性)線維は太い順にⅠ群(Ia:筋紡錘一次終末、Ib:腱器官)、Ⅱ群(筋紡錘二次終末、触圧覚)、Ⅲ群(Aδ:速い痛み、冷覚)、Ⅳ群(C:遅い痛み、温覚)と分類され、Ⅰ群は約70〜120m/sに達する。運動線維の分類ではAα(α運動ニューロン、錘外筋線維を支配)が同等に速い。深部腱反射の潜時が非常に短いのは、Ia線維が速く、しかも単シナプス性だからである。一方、痛みや温度の情報は細い線維が運ぶため遅く、打撲した直後に鋭い痛み(Aδ)が走り、少し遅れてじんとした痛み(C)が続くという二相性の痛みとして体感できる。自律神経は節前がB線維、節後がC線維で、いずれも体性運動線維より細く遅い。線維の名前を単独で暗記するのではなく、「太さ→速さ→どんな情報を運ぶか」と一続きに理解すると忘れにくい。

✓ 3. 正しい
筋紡錘からの求心性線維
筋紡錘一次終末からのIa線維(Aα群)は最も太い有髄線維で、伝導速度は約70〜120m/sと選択肢中で最速である。伸張反射が素早く起こるのはこの速さと単シナプス性による。
✗ 1. 誤り
侵害受容器からの求心性線維
痛みを伝えるのは細い有髄のAδ線維(約5〜30m/s、鋭い一次痛)と無髄のC線維(約1m/s、鈍い二次痛)で、いずれもIa線維より遅い。
✗ 2. 誤り
温受容器からの求心性線維
温覚は主に無髄のC線維が伝え、伝導速度は約1m/sと最も遅い部類である(冷覚は細い有髄のAδが中心)。
✗ 4. 誤り
自律神経遠心性線維
節前線維は細い有髄のB線維(約3〜15m/s)、節後線維は無髄のC線維(約1m/s)である。体性運動・深部感覚の太い線維に比べて明らかに遅い。
ポイント
  • 伝導速度は「太いほど速い」「有髄は跳躍伝導で速い」の二原則で決まる。
  • 最速はIa(筋紡錘一次終末)・Ib(腱器官)およびAα(α運動ニューロン)で約70〜120m/s。
  • Aδ(一次痛・冷覚)は約5〜30m/s、C(二次痛・温覚・節後自律神経)は約1m/s。
  • 自律神経は節前B線維(有髄)、節後C線維(無髄)。
  • 打撲後に鋭い痛みが先、鈍い痛みが後から来るのはAδとCの速度差による。
比較表
線維髄鞘伝導速度の目安運ぶ情報
Aα(Ia・Ib)有髄・最も太い約70〜120m/s筋紡錘一次終末、腱器官、α運動
Aβ(Ⅱ群)有髄約30〜70m/s触圧覚、筋紡錘二次終末
有髄約15〜30m/sγ運動(錘内筋線維)
Aδ(Ⅲ群)有髄・細い約5〜30m/s鋭い痛み(一次痛)、冷覚
B有髄・細い約3〜15m/s自律神経節前線維
C(Ⅳ群)無髄約1m/s鈍い痛み(二次痛)、温覚、自律神経節後線維
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。