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理由で解く 柔道整復師

QJ28A095 生理学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問95
問題
インスリンがグルコースの取り込みを促進させるのはどれか。
選択肢
1 骨格筋
2 腸粘膜
3 腎尿細管細胞
4 大脳皮質のニューロン
解答
正解1(骨格筋)
解説

インスリンが糖の取り込みを促すのは、GLUT4という輸送体をもつ組織、すなわち骨格筋・心筋・脂肪組織である。選択肢では骨格筋が該当する。

インスリンが受容体(チロシンキナーゼ型)に結合すると、細胞内シグナルによりGLUT4を含む小胞が細胞膜へ移動して融合し、膜上の糖輸送体の数が増える(トランスロケーション)。これによりグルコースの取り込みが一気に高まる。この仕組みをもつのは骨格筋・心筋・脂肪組織で、なかでも体重に占める割合が大きい骨格筋が、食後の血糖処理の最大の受け皿となる。一方、脳・肝臓・小腸・腎尿細管・赤血球はインスリンに依存しない輸送体(GLUT1・GLUT2・GLUT3、あるいはSGLT)で糖を扱う。脳が常時グルコースを必要とするのにインスリン非依存であるのは合目的で、だからこそインスリン過剰による低血糖では中枢神経症状が前面に出る。糖尿病で運動療法が勧められる理由も、骨格筋の収縮そのものがインスリンとは別の経路でGLUT4を膜へ移行させ、血糖を下げるためである。運動と食後血糖の関係として結びつけて覚えておきたい。

✓ 1. 正しい
骨格筋
GLUT4をもち、インスリン刺激で膜へのトランスロケーションが起こって糖の取り込みが増える。取り込まれたグルコースはグリコーゲンとして貯蔵されるか、エネルギー源として使われる。
✗ 2. 誤り
腸粘膜
小腸上皮では管腔側のSGLT1がNa⁺とともにグルコースを取り込み、基底膜側のGLUT2が血中へ送り出す。いずれもインスリンに依存しない。
✗ 3. 誤り
腎尿細管細胞
近位尿細管ではSGLT2・SGLT1が濾過されたグルコースをほぼ全量再吸収する。これもインスリン非依存の輸送であり、血糖値が高すぎて再吸収の上限を超えると尿糖が出る。
✗ 4. 誤り
大脳皮質のニューロン
ニューロンはGLUT3(脳毛細血管内皮はGLUT1)で糖を取り込み、インスリンに依存しない。脳は絶えずグルコースを消費するため、この非依存性が生命維持に重要である。
ポイント
  • インスリン依存性にグルコースを取り込むのはGLUT4をもつ組織=骨格筋・心筋・脂肪組織。
  • インスリンはGLUT4を細胞膜へ移行させて(トランスロケーション)取り込みを増やす。
  • 脳(GLUT3)、赤血球・血液脳関門(GLUT1)、肝・膵β細胞(GLUT2)はインスリン非依存。
  • 小腸・腎近位尿細管はSGLTで能動的に取り込む(Na⁺共輸送、二次性能動輸送)。
  • 骨格筋の収縮自体もGLUT4を膜へ移行させるため、運動は血糖低下に有効である。
比較表
輸送体主な分布インスリン依存性
GLUT1赤血球、血液脳関門非依存
GLUT2肝臓、膵β細胞、小腸・腎の基底膜側非依存
GLUT3ニューロン非依存
GLUT4骨格筋、心筋、脂肪組織依存(トランスロケーション)
SGLT1・SGLT2小腸上皮、腎近位尿細管の管腔側非依存(Na⁺共輸送=二次性能動輸送)
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