学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §1 人体解剖学概説 / QJ28A051

理由で解く 柔道整復師

QJ28A051 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問51
問題
上皮組織で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 食道-単層円柱上皮
2 気管支-多列線毛円柱上皮
3 尿細管-移行上皮
4 血管-単層立方上皮
解答
正解2(気管支-多列線毛円柱上皮)
解説

上皮の種類は「その場所に何が必要か」で決まります。気道は吸い込んだ異物を粘液に絡めて外へ送り返す必要があるため、気管支は多列線毛円柱上皮です。

上皮の名前は〈細胞の重なり方(単層・重層・多列)〉+〈細胞の形(扁平・立方・円柱)〉で付けられます。物質交換や摩擦の少なさが要る場所は単層扁平(血管内皮・肺胞)、食塊のような機械的な擦れに耐える場所は重層扁平(口腔・食道)、分泌と吸収の場は単層円柱(胃・腸)、内容量に応じて伸び縮みする尿路は移行上皮になります。多列上皮はすべての細胞が基底膜に接しているのに核の高さがずれて層のように見えるもので、気道では線毛細胞と杯細胞が並び、粘液を咽頭側へ運ぶ「粘液線毛エスカレーター」として働きます。臓器名と上皮名を丸暗記するより、その場所にかかる力や役割から逆算する習慣をつけると、組合せ問題で迷いません。

✗ 1. 誤り
食道-単層円柱上皮
食道は食塊が通るたびに強くこすれるため、重層扁平上皮(非角化)です。単層円柱上皮になるのは噴門から先の胃で、その切り替わり点が食道胃接合部です。上皮が入れ替わる境目を図で確認しておきましょう。
✓ 2. 正しい
気管支-多列線毛円柱上皮
気管から主気管支、そして細気管支の手前までは多列線毛円柱上皮が続きます。線毛が粘液の層を喉頭側へ押し流し、吸い込んだ塵や細菌を排除します。
✗ 3. 誤り
尿細管-移行上皮
移行上皮(尿路上皮)があるのは腎杯・腎盤から尿管・膀胱・尿道の一部までです。尿細管は再吸収と分泌を担う場所なので、近位・遠位ともに単層立方上皮です(ヘンレのワナの細い部分は単層扁平)。「尿路」と「尿細管」を別物として区別して覚えます。
✗ 4. 誤り
血管-単層立方上皮
血管の内面を覆う内皮は単層扁平上皮です。物質交換をしやすく血流の抵抗を減らすため、極めて薄い一層になっています。心内膜やリンパ管の内面も同じです。
ポイント
  • 上皮名は「重なり方+細胞の形」。機能から逆算して導く。
  • 食道=重層扁平、胃・腸=単層円柱、気道=多列線毛円柱、尿路=移行上皮、血管内皮・肺胞=単層扁平。
  • 多列上皮は全細胞が基底膜に接するが、核の高さがずれて層に見えるだけ。
  • 「尿細管=単層立方」と「尿路=移行上皮」を混同しない。
  • 教科書の図で「食道→胃」「腎盤→尿管」の上皮の境目を指でなぞって確認しておく。
比較表
部位上皮そうなる理由
食道重層扁平上皮(非角化)食塊による摩擦に耐える
気管・気管支多列線毛円柱上皮粘液+線毛で異物を排除する
胃・小腸・大腸単層円柱上皮分泌と吸収を行う
腎盤・尿管・膀胱移行上皮(尿路上皮)尿量に応じて伸縮する
尿細管単層立方上皮再吸収・分泌を行う
血管内皮・肺胞単層扁平上皮物質交換のため極めて薄い
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