学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §1 人体解剖学概説 / QJ26A031

理由で解く 柔道整復師

QJ26A031 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問31
問題
母親の細胞で構成されるのはどれか。
選択肢
1 羊膜
2 基底脱落膜
3 絨毛膜
4 卵黄嚢
解答
正解2(基底脱落膜)
解説

胎盤は「胎児側の絨毛膜有毛部(叢毛膜)」と「母体側の基底脱落膜」が噛み合ってできる。選択肢のうち母親の細胞からできているのは基底脱落膜だけである。

受精卵は着床のころに胚結節と栄養膜(トロホブラスト)に分かれ、栄養膜からは絨毛膜が、胚結節からは羊膜・卵黄嚢・尿膜が作られる。つまり胎児付属物のうち羊膜・絨毛膜・卵黄嚢・尿膜は、いずれも受精卵=胎児側の細胞に由来する。一方、着床した部位の子宮内膜機能層は脱落膜へと変化するが、これはもともと母体の組織であり、胚に対して胚の深部(子宮筋層側)にあるものを基底脱落膜、胚を子宮腔側から覆うものを被包脱落膜、それ以外を壁側脱落膜という。このうち基底脱落膜が絨毛膜有毛部と組み合わさって胎盤を構成し、胎盤の母体面に見える子葉(分葉)を作る。「脱落膜」という名は、分娩時に子宮壁から剥がれ落ちて娩出されることに由来する。まず「母体側=脱落膜、胎児側=膜(羊膜・絨毛膜)と嚢(卵黄嚢)」と大きく二分してから覚えると迷わない。

✗ 1. 誤り
羊膜
胚結節(羊膜芽細胞)から作られる胎児側の膜である。羊水を入れる袋を作って胎児を保護し、分娩後は胎児付属物として娩出される。母体の細胞ではない。
✓ 2. 正しい
基底脱落膜
着床部位の子宮内膜機能層が脱落膜化したもので、母体の細胞からなる。胎児側の絨毛膜有毛部と噛み合って胎盤を作り、胎盤中隔によって仕切られた子葉が胎盤の母体面として見える。
✗ 3. 誤り
絨毛膜
栄養膜と胚外中胚葉からなる胎児側の膜である。絨毛を伸ばして母体血の満たす絨毛間腔に浸り、物質交換とhCGの分泌を行う。基底脱落膜と接する側が有毛部(叢毛膜)として残り、反対側は平滑絨毛膜となる。
✗ 4. 誤り
卵黄嚢
胚結節に由来する胎児側の構造である。発生初期の造血の場となり、原始生殖細胞が生じる場所でもあるが、母体の細胞ではない。後に退縮して臍帯の中に痕跡を残す。
ポイント
  • 胎盤=胎児側の絨毛膜有毛部(叢毛膜)+母体側の基底脱落膜
  • 羊膜・絨毛膜・卵黄嚢・尿膜はすべて受精卵に由来する胎児側の付属物。
  • 脱落膜は子宮内膜機能層が変化したもので、基底脱落膜・被包脱落膜・壁側脱落膜の3つに分ける。
  • 絨毛膜の絨毛はhCGを分泌し、卵黄嚢は初期造血と原始生殖細胞の起源となる。
  • まず「母体側は脱落膜だけ」と決め打ちしてから選択肢を見ると即答できる。
比較表
構造由来おもな役割
基底脱落膜母体(子宮内膜機能層)胎盤の母体側を構成、子葉を作る
絨毛膜胎児(栄養膜+胚外中胚葉)絨毛で物質交換、hCG分泌
羊膜胎児(胚結節)羊水を満たし胎児を保護
卵黄嚢胎児(胚結節)初期造血、原始生殖細胞の発生
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