学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ26A032

理由で解く 柔道整復師

QJ26A032 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問32
問題
中硬膜動脈が通過するのはどれか。
選択肢
1 正円孔
2 卵円孔
3 棘孔
4 破裂孔
解答
正解3(棘孔)
解説

中硬膜動脈は外頸動脈→顎動脈の枝で、蝶形骨大翼にある棘孔を通って中頭蓋窩に入る。

中頭蓋窩の底には、前内側から後外側へ「正円孔→卵円孔→棘孔」がほぼ一列に並ぶ。通過するものは順に上顎神経(V2)、下顎神経(V3)、中硬膜動脈で、この並び順ごと覚えると取りこぼさない。中硬膜動脈は硬膜と頭蓋骨内板を養い、前枝は側頭骨鱗部の内面を溝を作りながら上行する。側頭部を強打してこの部の骨折が起きると中硬膜動脈が破れ、急性硬膜外血腫となる。受傷直後は意識がはっきりしている時間帯(意識清明期)があり、その後に急速に悪化するのが特徴なので、頭部を打った競技者は経過を追い、頭痛の増強・嘔吐・意識レベルの低下があれば直ちに救急医療へつなぐ。

✓ 3. 正しい
棘孔
蝶形骨大翼の後外側にあり、中硬膜動脈と同名の静脈、下顎神経の硬膜枝(棘枝)が通る。名前の由来は蝶形骨棘のそばにあることによる。
✗ 1. 誤り
正円孔
三叉神経第2枝である上顎神経が中頭蓋窩から翼口蓋窩へ抜ける孔。動脈は通らない。
✗ 2. 誤り
卵円孔
三叉神経第3枝である下顎神経が側頭下窩へ出る孔。小錐体神経や副硬膜動脈といった細い枝も通るが、中硬膜動脈の本幹は通らない。
✗ 4. 誤り
破裂孔
側頭骨錐体尖と蝶形骨・後頭骨の間の裂け目で、生体では線維軟骨でふさがれている。頸動脈管を出た内頸動脈がその上を通り、大錐体神経も走る。
ポイント
  • 中頭蓋窩の孔は前内側から「正円孔→卵円孔→棘孔」の順に並ぶ。
  • 通過するものは順に V2(上顎神経)→V3(下顎神経)→中硬膜動脈。
  • 中硬膜動脈は外頸動脈→顎動脈の枝で、硬膜と頭蓋骨内板を養う。
  • 側頭部打撲+骨折→中硬膜動脈損傷→急性硬膜外血腫。意識清明期の後に急変する。
  • 頭部外傷後は経過観察を行い、症状の増悪があれば速やかに医療機関へ搬送する。
比較表
おもな通過物行き先
正円孔上顎神経(V2)翼口蓋窩
卵円孔下顎神経(V3)、副硬膜動脈側頭下窩
棘孔中硬膜動脈、下顎神経硬膜枝中頭蓋窩(硬膜へ)
破裂孔内頸動脈(上を通る)、大錐体神経頭蓋内へ
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