学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §6 柔道整復師と国民医療費 / QJ28A050

理由で解く 柔道整復師

QJ28A050 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問50
問題
柔道整復師療養費の受領委任(協定・契約)で正しいのはどれか。
選択肢
1 登録・承諾施術所以外でも請求ができる。
2 柔道整復師は療養費の支給を保険者に申請することができる。
3 患者の一部負担金は減免できる。
4 施術録は施術完結日から1年間保存する。
解答
正解2(柔道整復師は療養費の支給を保険者に申請することができる。)
解説

受領委任では患者が療養費の受領を柔道整復師に委任するため、柔道整復師が患者に代わって保険者へ支給申請できる。正答は2。

柔道整復師療養費は医療保険の保険給付(療養費)であり、その原則は償還払い、すなわち患者がいったん費用の全額を支払い、後から自分で保険者に請求して払い戻しを受ける形である。柔道整復の施術については例外的に受領委任という取扱いが認められており、地方厚生(支)局長および都道府県知事との協定または契約に基づいて、施術所ごとに登録・承諾を受けた施術管理者だけがこれを行える(都道府県の柔道整復師会の会員は会が締結した協定を通じて、会員以外の施術管理者は個別の契約によって手続きする)。この仕組みの下では、患者は窓口で一部負担金のみを支払い、残額は柔道整復師が支給申請書を作成して保険者に請求し、直接支払いを受ける。患者を介さず保険財源から施術者へ直接支払われる例外的な取扱いである以上、①登録・承諾を受けてから開始する、②申請書は患者の委任・署名を得て作成する、③一部負担金は法定どおり徴収する、④施術録は施術完結の日から5年間保存する、という運用ルールがセットで課される。

✓ 2. 正しい
柔道整復師は療養費の支給を保険者に申請することができる。
受領委任の中核。患者から受領の委任を受けた施術管理者が支給申請書を作成し、患者の委任の意思(署名)を確認したうえで保険者に請求し、支払いを受ける。
✗ 1. 誤り
登録・承諾施術所以外でも請求ができる。
受領委任は、協定または契約に基づいて登録・承諾を受けた施術管理者・施術所に限って認められる。取り扱いたい場合は、施術所ごとに地方厚生(支)局長・都道府県知事へ申し出て登録・承諾を受けてから開始する。それまでは償還払いで対応する。
✗ 3. 誤り
患者の一部負担金は減免できる。
一部負担金は法令に定める割合どおりに徴収する。割引や無料化は保険給付の前提を崩すため認められない。支払いが困難な患者には、加入する保険者や市区町村の相談窓口(自治体の医療費助成、生活保護の医療扶助など)を案内し、施術側は施術回数・期間を医学的に必要な範囲に適正化することで対応する。
✗ 4. 誤り
施術録は施術完結日から1年間保存する。
保存期間は施術が完結した日から5年間。受領委任では施術録が請求内容の根拠資料となり、保険者からの照会や指導・監査に応じる必要があるため、5年という長さが定められている。
ポイント
  • 柔道整復師療養費は医療保険の保険給付(療養費)であり、公費負担医療ではない。財源の中心は保険料。
  • 療養費の原則は償還払い。受領委任はその例外として認められた取扱い。
  • 受領委任ができるのは、協定または契約に基づき登録・承諾を受けた施術管理者・施術所に限られる(協定=都道府県柔道整復師会を通じた経路、契約=会員以外が個別に締結する経路)。
  • 患者は窓口で一部負担金のみを支払い、残額は柔道整復師が保険者へ請求して直接受け取る。
  • 一部負担金は法定割合どおりに徴収し、減免・割引はしない。支払いが困難な場合は保険者・市区町村の窓口を案内する。
  • 施術録は施術完結の日から5年間保存する。
比較表
項目償還払い(原則)受領委任(例外)
窓口での支払い患者が全額を支払う患者は一部負担金のみ
保険者への申請者患者本人委任を受けた柔道整復師(施術管理者)
保険者から施術者への支払いなし(保険者は患者へ払い戻す)あり(保険者が施術者へ直接支払う)
実施の要件とくになし施術所ごとの登録・承諾(協定または契約に基づく)が必要
一部負担金法定割合どおり法定割合どおり。減免・割引は不可
施術録の保存施術完結の日から5年間
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。