学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ28A040

理由で解く 柔道整復師

QJ28A040 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問40
問題
医療現場においてインシデントはどれか。
選択肢
1 ヒヤリ・ハット
2 医療事故
3 医療過誤
4 医療過失
解答
正解1(ヒヤリ・ハット)
解説

医療現場でいうインシデントは、患者に実害が及ばなかった、あるいは及ぶ寸前で気づいた出来事、すなわちヒヤリ・ハットを指す。

インシデントは、誤った行為が実施される前に気づいた場合や、実施されたが患者に影響がなかった場合を指す。これに対し、実際に患者に健康被害が生じたものはアクシデント(医療事故)と呼び分ける。医療事故のうち、医療者の注意義務違反すなわち過失によって生じたものが医療過誤である。重大な事故の背後には多数の軽微な異常が存在するという考え方(ハインリッヒの法則)から、実害に至らなかったインシデントを集めて分析することが事故予防の中心的な手段になる。だからインシデントレポートは、個人の責任を問うためではなく、いつ・どこで・何が起きたかを事実として共有し、手順や表示、動線、器具の配置といった仕組みの側を改善するために書く。気づいた人が速やかに報告し、施術所内で原因を検討して再発防止策を決め、決めた対策が実行されているかを後日確認する。

✓ 1. 正しい
ヒヤリ・ハット
実害には至らなかったが「ヒヤリとした」「ハッとした」出来事であり、インシデントの定義と一致する。
✗ 2. 誤り
医療事故
患者に実害が生じたものを指し、アクシデントに分類される。インシデントとは実害の有無で区別する。
✗ 3. 誤り
医療過誤
医療事故のうち、医療者の過失によって生じたものを指す。実害と過失の両方を含む概念であり、インシデントには当たらない。
✗ 4. 誤り
医療過失
注意義務違反そのものを指す概念で、医療過誤が成立する要件の一つ。実害に至らない出来事を表す語ではない。
ポイント
  • インシデント=実害なし(ヒヤリ・ハット)。アクシデント=実害あり(医療事故)。
  • 医療過誤=医療事故のうち医療者の過失によるもの。医療過失=注意義務違反そのもの。
  • 重大事故の背後に多数の軽微な異常があるという考え方(ハインリッヒの法則)が報告制度の根拠。
  • インシデントレポートは責任追及ではなく、事実の共有と仕組みの改善のために書く。
  • 気づいたら速やかに報告し、原因を検討して再発防止策を決め、実行状況を後日確認する。
比較表
用語患者への実害過失の有無
インシデント(ヒヤリ・ハット)なし問わない誤りに直前で気づいた、実施したが影響なし
アクシデント(医療事故)あり問わない不可抗力によるものも含む
医療過誤ありあり注意義務違反により被害が生じた
医療過失あり注意義務違反そのもの
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