学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ27P072

理由で解く 柔道整復師

QJ27P072 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問72
問題
胸骨骨折で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 ハンドル損傷で発生する。
2 斜骨折が多い。
3 呼吸運動に障害はみられない。
4 合併症に縦隔内臓器損傷がある。
解答
正解1(ハンドル損傷で発生する。)、4(合併症に縦隔内臓器損傷がある。)
解説

胸骨骨折はハンドル外傷など前胸部への直達外力で生じ、すぐ背後にある縦隔臓器の損傷を必ず疑う。呼吸のたびに痛むため呼吸も浅くなる。

交通事故でハンドルやシートベルトが前胸部に強く当たる、あるいは前方から強打されることで発生する。胸骨は扁平骨で前後方向に押されるため、骨軸に直交する横骨折となることが多く、骨片は上下にずれるが転位は軽度なことが多い。胸骨のすぐ後ろは縦隔であり、心臓・大血管・気管・食道が並ぶため、心挫傷、心タンポナーデ、大血管損傷などを合併しうる。呼吸運動のたびに胸郭が動いて骨折部が刺激されるので疼痛が増強し、患者は浅く速い呼吸になって換気が落ちる。胸痛に加えて呼吸困難、不整脈、血圧低下、冷汗があれば重篤な合併症を疑い、上半身を挙上した安楽な体位で安静を保ち、ただちに救急要請する。

✓ 1. 正しい
ハンドル損傷で発生する。
前胸部を強打する直達外力が典型的な受傷機転。シートベルト外傷や前方からの打撲でも生じる。
✓ 4. 正しい
合併症に縦隔内臓器損傷がある。
胸骨の直下は縦隔。心挫傷・心タンポナーデ・大血管損傷・気管や食道の損傷を合併しうるため、バイタルサインの変化に注意する。
✗ 2. 誤り
斜骨折が多い。
前後方向の直達外力で骨軸に直交する力が働くため、横骨折となることが多い。
✗ 3. 誤り
呼吸運動に障害はみられない。
呼吸のたびに胸郭が動いて骨折部が刺激され疼痛が増強するため、浅い呼吸となり換気が制限される。多発肋骨骨折を伴えばフレイルチェストとなることもある。
ポイント
  • 受傷機転はハンドル外傷など前胸部への直達外力。
  • 骨折型は横骨折が多い(前後方向の外力のため)。
  • 合併症は縦隔内臓器損傷(心挫傷・心タンポナーデ・大血管・気管・食道)。
  • 呼吸で疼痛が増強し、浅い呼吸となって換気が落ちる。
  • 呼吸困難・不整脈・血圧低下があれば安楽な体位で安静とし、直ちに救急要請する。
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