学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ27P066

理由で解く 柔道整復師

QJ27P066 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問66
問題
完全骨折はどれか。
選択肢
1 陥凹骨折
2 竹節状骨折
3 剪断骨折
4 骨膜下骨折
解答
正解3(剪断骨折)
解説

骨の連続性が完全に断たれたものが完全骨折、一部でも連続性が残るものが不全骨折。選択肢のうち完全骨折は剪断骨折だけで、残る3つはいずれも不全骨折に分類される。

不全骨折には亀裂骨折・竹節状骨折・若木骨折・陥凹骨折・骨膜下骨折などがあり、骨が柔軟で骨膜が厚い小児に多い。ここで整理しておきたいのは、骨折の分類には別々の軸があるということ。①連続性の有無による分類=完全骨折/不全骨折、②骨折線の走行による分類=横骨折・斜骨折・螺旋状骨折・縦骨折・粉砕骨折など(これは完全骨折を細分する軸)、③外力の働き方による分類=屈曲・圧迫・捻転・剪断・裂離(これは完全・不全を問わずすべての骨折にかかる別軸)である。③は②の下位区分ではない。たとえば屈曲力で起こる骨折には不全骨折である若木骨折が含まれ、圧迫力で起こる椎体骨折も多くは不全骨折であるから、「外力別分類=完全骨折の分け方」と覚えると本問の判定基準と矛盾してしまう。本問の剪断骨折は③に属するが、剪断力は骨軸に対して直角に、断面をずらす向きに働く力で、骨は刃物で断ち切られるように離断する。したがって骨折線はほぼ横走し、骨の連続性は完全に断たれる=完全骨折となる。分類問題では、まず「どの軸で問われているか」を確かめ、完全・不全が問われたら「連続性がどこかに残っているか」だけを物差しにすると迷いにくい。

✓ 3. 正しい
剪断骨折
外力の働き方による分類のひとつ。骨軸に直角方向のずれの力(剪断力)が働き、骨がずり切られるように離断する。骨折線は横走し、骨の連続性は完全に断たれるため完全骨折である。
✗ 1. 誤り
陥凹骨折
頭蓋骨のような板状の骨で、外力を受けた部分が内方へ陥凹する骨折。陥凹した部分の周囲では骨の連続性が保たれるため不全骨折に含まれる。
✗ 2. 誤り
竹節状骨折
小児の骨幹端部で骨皮質が竹の節のように輪状に膨隆するもので、隆起骨折とも呼ばれる。皮質は座屈するだけで断裂しないため不全骨折である。
✗ 4. 誤り
骨膜下骨折
骨皮質は折れても厚い骨膜が破れずに連続性を保つもので、小児に多い。転位がほとんどなく見落としやすいので、限局性圧痛・介達痛(軸圧痛)を丁寧に確認し、疑わしければ画像診断を勧める。
ポイント
  • 完全骨折=骨の連続性が完全に断たれる/不全骨折=一部に連続性が残る。本問はこの一点だけで仕分ける。
  • 不全骨折の代表は亀裂骨折・竹節状骨折・若木骨折・陥凹骨折・骨膜下骨折。
  • 骨折線の走行による分類(横・斜・螺旋状・縦・粉砕)は、完全骨折を細分する軸。
  • 外力の働き方による分類(屈曲・圧迫・捻転・剪断・裂離)は、完全・不全を問わない別軸。屈曲力による若木骨折や圧迫力による椎体骨折のように不全骨折となるものも含む。
  • 剪断骨折は外力別分類のうち完全骨折となるもの。骨軸に直角のずれ力で、横走する骨折線で離断される。
  • 小児は骨膜が厚く骨が柔軟なため不全骨折が多い。転位が軽微でも限局性圧痛と軸圧痛で骨折を疑って対応する。
比較表

【軸①】連続性の有無による分類(本問の判定基準)と、完全骨折を細分する【軸②】骨折線の走行

区分骨の連続性代表例(軸②=骨折線の走行による分類)特徴
不全骨折一部が保たれる亀裂骨折/竹節状骨折/若木骨折/陥凹骨折/骨膜下骨折転位が軽微で見落としやすい。小児に多い
完全骨折完全に断たれる横骨折/斜骨折/螺旋状骨折/縦骨折/粉砕骨折転位・異常可動性・軋轢音が出やすい

【軸③】外力の働き方による分類(完全・不全を問わない別軸)

働いた外力生じる骨折完全/不全との関係
剪断力(骨軸に直角のずれ)剪断骨折横走する骨折線で離断される=完全骨折
捻転力捻転骨折(螺旋状骨折)完全骨折
屈曲力屈曲骨折/小児の若木骨折完全にも不全(若木骨折)にもなる
圧迫力圧迫骨折(椎体・踵骨など)椎体圧迫骨折のように不全骨折となるものがある
牽引力裂離(剥離)骨折骨片が完全に引きはがされれば完全骨折

※軸③は軸①・②の下位区分ではない。「外力別分類=完全骨折の分け方」と覚えると、若木骨折や椎体圧迫骨折の扱いで矛盾する。

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