学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §14 疾患別各論 神経・筋疾患 / QJ27P061
理由で解く 柔道整復師
手の変形は「どの神経が、どの高さで障害されたか」で決まる。外反肘では肘の内側を走る尺骨神経が長年引き伸ばされて遅発性尺骨神経麻痺を起こし、鷲手(わしで)をきたす。正答は2。
前腕・手を動かす3本の神経を、支配筋と障害高位で整理しておくと組合せ問題は崩れない。橈骨神経は手関節と指の伸筋群を、正中神経は前腕屈筋群と母指球筋を、尺骨神経は骨間筋・虫様筋(第3・4)など手内在筋の大半と小指球筋を支配する。したがって上腕での橈骨神経麻痺は下垂手、肘より遠位の後骨間神経麻痺は下垂指、正中神経麻痺は猿手、尺骨神経麻痺は鷲手となる。ここで注意したいのが「三尖手」で、これだけは神経麻痺による変形ではなく、軟骨無形成症でみられる先天性の手の形態異常である。この整理を当てはめると、誤りの3つ(選択肢1・3・4)はいずれも、責任神経がずれている(下垂手は後骨間神経ではなく上腕での橈骨神経、猿手はギヨン管=尺骨神経ではなく正中神経)か、そもそも神経麻痺による変形ではない(三尖手)かのどちらかにあたる。変形と原因が過不足なく対応しているのは、選択肢2の鷲手-外反肘だけである。
| 変形 | 責任神経・障害部位 | 手の形・特徴 |
|---|---|---|
| 下垂手 | 橈骨神経(上腕・橈骨神経溝) | 手関節も指も伸展できない。手背橈側の感覚障害を伴う |
| 下垂指 | 後骨間神経(回外筋部) | 手関節背屈は可能。指のMP伸展のみ不能、感覚障害なし |
| 猿手 | 正中神経(手根管など) | 母指球の萎縮、母指の対立不能 |
| 鷲手 | 尺骨神経(肘部管、外反肘、ギヨン管) | MP関節過伸展+IP関節屈曲の鉤爪状。骨間筋・小指球の萎縮 |
| 三尖手 | 神経麻痺ではない(軟骨無形成症) | 指が短く第3指と第4指の間が開く先天性の形態異常 |
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