学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §6 失血と輸血・輸液 / QJ27P047

理由で解く 柔道整復師

QJ27P047 外科学概論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問47
問題
輸血で正しいのはどれか。
選択肢
1 採血後6日以内のものを新鮮血という。
2 保存血輸血は血小板の補給が期待できる。
3 凝固因子の補充には新鮮凍結血漿を用いる。
4 循環血液量の維持には血小板輸血を用いる。
解答
正解3(凝固因子の補充には新鮮凍結血漿を用いる。)
解説

新鮮凍結血漿(FFP)は、凝固因子を保ったまま凍らせた製剤。凝固因子の補充に用いるという記述が正しい。

輸血は「足りない成分だけを補う」成分輸血が原則で、赤血球液は酸素運搬能、血小板濃厚液は止血に働く血小板、FFPは凝固因子と、製剤ごとに役割・保存温度・有効期間がはっきり分かれている。ここで効くのが「保存で真っ先に失われるのは血小板と不安定な凝固因子(第V因子・第VIII因子)」という一点である。赤血球製剤は2〜6℃で保存するため、日が経つほど血小板の機能と不安定凝固因子の活性は落ちていく。だから凝固因子がほしければ、採血後すぐ血漿を分離して凍結したFFPを使う、という筋道になる。この原則を握っておくと、本問の残り3肢は自動的に切れる。

✓ 3. 正しい
凝固因子の補充には新鮮凍結血漿を用いる。
FFPは採血後すみやかに血漿を分離し、−20℃以下で凍結保存する。この処理により、熱に弱い第V因子・第VIII因子を含むほぼすべての凝固因子が活性を保たれる。使用時は30〜37℃で融解し、融解後は速やかに使う。播種性血管内凝固(DIC)、大量出血に伴う希釈性凝固障害、肝障害による凝固因子欠乏、ワルファリンの緊急拮抗などが適応で、単なる血漿増量剤として使うものではない。
✗ 1. 誤り
採血後6日以内のものを新鮮血という。
新鮮血とは採血後3日以内(おおむね72時間以内)のものを指す。6日も経つと血小板の機能や不安定凝固因子の活性はほとんど失われ、「新鮮」と呼べる中身ではなくなる。
✗ 2. 誤り
保存血輸血は血小板の補給が期待できる。
血小板は2〜6℃の低温保存に弱く、採血後おおむね24〜48時間で止血機能を失う。したがって保存血で血小板を補うことはできない。血小板を補うなら、20〜24℃で振盪しながら保存する血小板濃厚液を用いる。なお有効期間は、第27回の出題時点では採血後4日間とされていたが、日本赤十字社の運用変更でその後延長されている。試験対策としては「短い」と押さえたうえで、実務では最新の値を確認すること。
✗ 4. 誤り
循環血液量の維持には血小板輸血を用いる。
血小板製剤は量を稼ぐための製剤ではなく、血小板減少による出血や出血傾向に対して用いる。循環血液量の維持には細胞外液補充液や人工膠質液を、膠質浸透圧の維持にはアルブミン製剤を、酸素運搬能が必要なら赤血球液を選ぶ。
ポイント
  • 新鮮血は採血後3日以内。保存血では血小板と不安定凝固因子(第V・第VIII因子)が失われる。
  • 凝固因子を補うのは新鮮凍結血漿(FFP)。−20℃以下で凍結保存し、使用直前に30〜37℃で融解する。
  • 血小板濃厚液は20〜24℃で振盪保存。有効期間は他の製剤に比べて短い(第27回出題時点では採血後4日間。その後、日本赤十字社の運用変更で延長されているため、実務では最新の値を確認すること)。適応は血小板減少による出血。
  • 循環血液量の維持は細胞外液補充液・人工膠質液・アルブミンの役目で、血小板輸血の役目ではない。
  • 成分輸血の原則は「足りない成分だけを補う」。製剤と目的を一対一で結びつけて覚える。
比較表
製剤補うもの・目的保存条件
新鮮凍結血漿(FFP)凝固因子の補充−20℃以下で凍結、使用前に30〜37℃で融解
赤血球液酸素運搬能の改善2〜6℃
血小板濃厚液血小板減少による出血・出血傾向20〜24℃で振盪。有効期間は短い(出題時点:採血後4日間。現在は延長されており最新の値を要確認)
細胞外液補充液・人工膠質液・アルブミン循環血液量と膠質浸透圧の維持室温
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。