学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ27P046

理由で解く 柔道整復師

QJ27P046 外科学概論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問46
問題
感染症の治療で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 破傷風-ペニシリン
2 ガス壊疽-抗毒素血清(テタノブリン)
3 皮膚カンジダ症-抗真菌薬
4 アスペルギルス症-テトラサイクリン
解答
正解3(皮膚カンジダ症-抗真菌薬)
解説

カンジダは真菌なので、抗真菌薬という組合せが正しい。破傷風とガス壊疽は薬が入れ替えられており、アスペルギルスに抗菌薬は効かない。

この型の問題は、病原体が細菌か真菌か、そして「菌そのもの」と「菌が出す毒素」のどちらが病態の主役かを押さえると一気に片づく。真菌には抗真菌薬、細菌には抗菌薬で、細菌用の抗菌薬は真菌にまったく効かない。破傷風は菌が局所にとどまったまま出す破傷風毒素(テタノスパスミン)が神経を侵す病気なので、すでに血中を回っている毒素を中和する抗毒素、すなわち抗破傷風ヒト免疫グロブリン(テタノブリン)が治療の柱になる。一方ガス壊疽は、クロストリジウム属などが筋層内で急速に増殖して組織を溶かすため、緊急のデブリドマンとペニシリン系抗菌薬、可能なら高気圧酸素療法を組み合わせる。

✓ 3. 正しい
皮膚カンジダ症-抗真菌薬
カンジダは酵母様真菌で、皮膚では間擦部(腋窩、鼠径、乳房下、指趾間)など、蒸れて湿った場所に紅斑・膿疱・鱗屑をつくる。真菌なので治療は抗真菌薬で、皮膚に限局していればイミダゾール系などの外用が基本。糖尿病、抗菌薬の長期使用、免疫抑制状態が背景にあることが多いため、患部を乾燥させ、原因となっている条件も一緒に見直す。
✗ 1. 誤り
破傷風-ペニシリン
本問では1と2の相手が入れ替えられている。破傷風で真っ先に必要なのは、毒素を中和する抗毒素(テタノブリン=抗破傷風ヒト免疫グロブリン)と、菌の温床である創の切開・洗浄・デブリドマン、そして開口障害や後弓反張に備えた鎮痙・呼吸管理である。抗菌薬は菌体を減らす補助として併用されるが、代表的な組合せとしては「破傷風—抗毒素」で覚える。
✗ 2. 誤り
ガス壊疽-抗毒素血清(テタノブリン)
テタノブリンは名前のとおり破傷風(tetanus)用の免疫グロブリンで、ガス壊疽には用いない。ガス壊疽では、壊死した筋を含めた広範なデブリドマン(進行が速ければ切断も選ぶ)を最優先とし、ペニシリン系抗菌薬の大量投与、条件が整えば高気圧酸素療法を加える。
✗ 4. 誤り
アスペルギルス症-テトラサイクリン
アスペルギルスは糸状の真菌で、テトラサイクリンは細菌のリボソームに作用する抗菌薬なので効き目はない。治療にはボリコナゾールなどの抗真菌薬を用いる。日和見感染の代表で、好中球減少や長期のステロイド使用など、免疫が落ちた人に肺アスペルギルス症として起こりやすい。
ポイント
  • 真菌(カンジダ、アスペルギルス)には抗真菌薬。細菌用の抗菌薬はまったく効かない。
  • 破傷風は毒素が主役の病気。治療の柱は抗毒素(テタノブリン)+創処置+鎮痙・呼吸管理。
  • ガス壊疽は菌の急速増殖が主役。緊急デブリドマン+ペニシリン系+高気圧酸素療法。
  • 「テタノブリン」は tetanus(破傷風)由来の名前。名前から用途を引き出せる。
  • 組合せ問題では、2つの肢の薬が入れ替えられている型がよく出る。ペアを縦に並べて見比べる。
比較表
疾患病原体・主役治療の柱
破傷風破傷風菌(毒素が主役)抗毒素(テタノブリン)、創の切開・洗浄、鎮痙・呼吸管理。抗菌薬は併用
ガス壊疽クロストリジウム属などの細菌緊急デブリドマン、ペニシリン系抗菌薬、高気圧酸素療法
皮膚カンジダ症カンジダ(真菌)抗真菌薬(イミダゾール系外用など)、患部の乾燥
アスペルギルス症アスペルギルス(真菌)抗真菌薬(ボリコナゾールなど)
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