学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §1 損傷 / QJ27P044

理由で解く 柔道整復師

QJ27P044 外科学概論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問44
問題
機械的損傷はどれか。
選択肢
1 低温による凍傷
2 紫外線による熱傷
3 気圧による減圧症
4 電気による電撃傷
解答
正解3(気圧による減圧症)
解説

損傷は「どんなエネルギーが体を壊したか」で分類する。選択肢のうち、気圧という圧力(力)が原因の減圧症だけが機械的損傷にあたる。

外因による損傷は、機械的(力・圧)、温度(熱傷・凍傷)、光線や電離放射線、電気、化学物質、生物学的要因に大別される。機械的損傷とは、打撲・切創・骨折のように運動エネルギーや圧力が組織を直接壊すもので、圧力の急変によって起こる減圧症もこの仲間に入る。本問の選択肢はすべて「原因+損傷名」の形で書かれているので、後ろの病名ではなく前半の原因語(低温・紫外線・気圧・電気)だけを見れば分類は一義に決まる。迷ったときは「力(圧)が働いたのか、それ以外のエネルギーなのか」で切り分けるとよい。

✓ 3. 正しい
気圧による減圧症
潜水や潜函作業などの高圧環境では、血液や組織に窒素が多く溶け込む。ここで急に減圧すると、溶けきれなくなった窒素が体内で気泡になり、血管を塞いだり組織を押し広げたりして、関節痛(ベンズ)、皮膚のかゆみ・斑、めまい、脊髄症状などを起こす。原因は気圧=圧力という機械的なエネルギーなので、機械的損傷に分類される。治療は再圧(高気圧酸素)療法と酸素投与が柱で、疑ったら潜水を中止させて速やかに専門施設へつなぐ。
✗ 1. 誤り
低温による凍傷
原因は「温度」。熱傷と対をなす温度による損傷で、組織の凍結と血流障害が本体。機械的な力は働いていない。
✗ 2. 誤り
紫外線による熱傷
原因は「紫外線」という電磁波で、放射線(光線)による損傷に入る。日焼けが典型で、浴びた直後ではなく数時間遅れて発赤・水疱が出るのが特徴。名前に「熱傷」とあっても、熱が加わったわけではない点に注意する。
✗ 4. 誤り
電気による電撃傷
原因は「電気」で、電気による損傷に分類される。電流が通った経路に沿って深部の筋や血管が焼けるため、体表の傷が小さくても内部の壊死が広いことがあり、見た目で軽く判断せず全身の評価につなぐ。
ポイント
  • 機械的損傷=力・圧が直接組織を壊すもの。創傷・打撲・骨折に加え、気圧の急変による減圧症も含まれる。
  • 熱傷と凍傷は「温度」、日焼けやX線障害は「光線・放射線」、電撃傷・雷撃傷は「電気」による損傷。
  • 減圧症の本体は溶けていた窒素の気泡化。治療の柱は再圧(高気圧酸素)療法。
  • 「紫外線による熱傷」は名前に熱傷とあっても放射線損傷。名称ではなく原因語で判断する。
  • 選択肢が「原因+損傷名」の形なら、原因語だけを見て分類すると迷わない。
比較表
原因(エネルギー)分類代表例
力・圧(気圧を含む)機械的損傷創傷、打撲、骨折、減圧症
温度温度による損傷熱傷、凍傷
光線・電離放射線放射線損傷紫外線による日焼け、X線障害
電気電気による損傷電撃傷、雷撃傷
化学物質化学的損傷酸・アルカリによる腐食
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