学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §1 損傷 / QJ26P044

理由で解く 柔道整復師

QJ26P044 外科学概論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問44
問題
熱傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 Ⅰ度は瘢痕を形成する。
2 II度は痛みを感じない。
3 II度は水疱を形成しやすい。
4 Ⅲ度は植皮の適応とならない。
解答
正解3(II度は水疱を形成しやすい。)
解説

水疱(水ぶくれ)をつくるのはⅡ度熱傷の特徴です。

熱傷は、障害が皮膚のどの深さまで及んだかで分類します。Ⅰ度は表皮までで、ヒリヒリした発赤のみで数日のうちに瘢痕を残さず治ります。Ⅱ度は真皮に達し、表皮と真皮の間に体液が溜まって水疱を形成します。同じⅡ度でも、真皮浅層までの浅達性Ⅱ度は知覚神経が残るため痛みが強く瘢痕を残さず治癒しますが、真皮深層に及ぶ深達性Ⅱ度は知覚が鈍くなり、治っても瘢痕を残しやすくなります。Ⅲ度は皮膚全層が壊死し、白色〜褐色の羊皮紙様・炭化した外観となり、神経終末まで壊れるため無痛です。上皮化の元になる細胞が残らないので自然には治らず、植皮が必要になります。現場ではまず流水などで十分に冷却し清潔に被覆すること、そしてⅡ度以上・広範囲・顔面や気道熱傷の疑いがあれば速やかに医療機関へ搬送することが基本の対応です。

✓ 3. 正しい
II度は水疱を形成しやすい。
障害が真皮に及ぶと表皮と真皮の間に体液が貯留し、水疱を形成します。水疱の有無はⅠ度とⅡ度を分ける重要な所見です。
✗ 1. 誤り
Ⅰ度は瘢痕を形成する。
Ⅰ度は表皮までの障害で、一時的な発赤・疼痛や色素沈着を残すことはあっても、瘢痕は残さずに治癒します。
✗ 2. 誤り
II度は痛みを感じない。
痛みを感じないのはⅢ度です。Ⅱ度、とくに浅達性Ⅱ度は知覚神経が保たれるため強い疼痛を訴えます。「深いほど痛い」ではなく「深すぎると痛みが消える」と押さえます。
✗ 4. 誤り
Ⅲ度は植皮の適応とならない。
逆です。Ⅲ度は皮膚全層が失われ自然に上皮化しないため、植皮の代表的な適応となります。
ポイント
  • Ⅰ度=表皮(発赤・疼痛、瘢痕を残さない)/Ⅱ度=真皮(水疱)/Ⅲ度=皮膚全層(壊死・無痛)。
  • 水疱はⅡ度の目印。無痛はⅢ度の目印(神経終末まで壊れるため)。
  • 浅達性Ⅱ度は疼痛が強く瘢痕を残さない。深達性Ⅱ度は知覚鈍麻で瘢痕を残しやすい。
  • Ⅲ度は自然治癒せず植皮の適応
  • 初期対応は十分な冷却と清潔な被覆。広範囲・顔面・気道熱傷の疑いは速やかに医療機関へ。
比較表
深度障害の深さ水疱疼痛治癒・瘢痕
Ⅰ度表皮なしあり(ヒリヒリ)数日で治癒、瘢痕なし
浅達性Ⅱ度真皮浅層あり強い約2週で治癒、瘢痕は残りにくい
深達性Ⅱ度真皮深層あり鈍い治癒に時間がかかり瘢痕を残す
Ⅲ度皮膚全層以深なしなし(無痛)自然治癒せず植皮の適応
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