学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ27P012

理由で解く 柔道整復師

QJ27P012 リハビリテーション医学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問12
問題
内部障害に対する全身調整運動のプログラムで正しいのはどれか。
選択肢
1 筋の自動的な伸長運動を行う。
2 運動の持続時間は10分以上に設定する。
3 運動強度はなるべく高く設定する。
4 運動の頻度は重要ではない。
解答
正解2(運動の持続時間は10分以上に設定する。)
解説

全身調整運動とは、大筋群を使うリズミカルな有酸素運動のことです。内部障害では「強度は控えめに、時間と頻度で運動量を稼ぐ」のが原則で、1回の持続時間は10分以上を目安とします。

内部障害(心疾患・呼吸器疾患・腎疾患・代謝疾患など)のリハビリテーションでは、全身持久力(運動耐容能)を高めることが目標になります。運動処方は「強度・持続時間・頻度・種目」の4要素で組み立てます。強度は嫌気性代謝閾値(AT)以下、自覚的運動強度(Borg指数)11〜13の「楽である〜ややきつい」、心拍数なら安静時+20〜30拍/分程度を目安に低〜中等度に抑えます。強度を上げると心負荷・不整脈・血圧上昇のリスクが跳ね上がるため、運動量は持続時間(1回10〜30分)と頻度(週3〜5回)で確保します。連続10分がつらい場合は、5分×数回のように分割して合計時間を積み上げる方法をとります。実施中は脈拍・血圧・SpO2・自覚症状を確認し、胸痛・強い息切れ・冷汗が出たら中止して主治医に報告します。

✓ 2. 正しい
運動の持続時間は10分以上に設定する。
有酸素性の代謝改善効果を得るには、ある程度の時間その強度を続ける必要があり、1回10〜30分が目安です。10分未満では持久力の向上につながりにくく、耐えられない場合は分割して合計時間を確保します。
✗ 1. 誤り
筋の自動的な伸長運動を行う。
ストレッチングは準備運動や拘縮予防として併用する価値はありますが、局所の柔軟性に働きかける手段であり、全身持久力を高める全身調整運動そのものではありません。全身調整運動の中心は歩行・自転車エルゴメータなど、大筋群を連続して使う運動です。
✗ 3. 誤り
運動強度はなるべく高く設定する。
内部障害では高強度運動が心血管イベントの引き金になり得ます。AT以下、Borg 11〜13を上限の目安とし、強度は低〜中等度に設定して、必要な運動量は時間と頻度で確保します。
✗ 4. 誤り
運動の頻度は重要ではない。
頻度は処方の必須要素です。週2回以下では効果が定着せず、週3〜5回の継続が推奨されます。生活の中に組み込める時間帯を一緒に決め、記録をつけて継続を支えます。
ポイント
  • 全身調整運動=大筋群を使うリズミカルな有酸素運動(歩行、自転車エルゴメータなど)。
  • 処方の4要素は強度・持続時間・頻度・種目。内部障害では「強度は控えめ、時間と頻度で量を稼ぐ」。
  • 強度の目安はAT以下、Borg 11〜13、心拍は安静時+20〜30拍/分。
  • 持続時間は1回10〜30分。続かなければ分割して合計時間を確保する。
  • 実施中は脈拍・血圧・SpO2・自覚症状を確認し、胸痛や強い息切れが出たら中止して主治医に報告する。
比較表
内部障害における運動処方の4要素
要素設定の目安外すとどうなるか
強度AT以下、Borg 11〜13、心拍は安静時+20〜30拍/分高すぎると心負荷・不整脈・血圧上昇のリスク
持続時間1回10〜30分(分割して合計を確保してもよい)10分未満では持久力が向上しにくい
頻度週3〜5回週2回以下では効果が定着しない
種目歩行・自転車エルゴメータなど大筋群の有酸素運動局所運動やストレッチだけでは全身持久力は上がらない
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