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理由で解く 柔道整復師

QJ27A110 衛生学・公衆衛生学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問110
問題
地域保健活動の進め方で正しいのはどれか。
選択肢
1 費用は考慮しない。
2 PDCAのサイクルを意識して進める。
3 産業保健の対象者とは重複しない。
4 法律に基づき対象者を強制的に参加させる。
解答
正解2(PDCAのサイクルを意識して進める。)
解説

地域保健活動は Plan(計画)→ Do(実施)→ Check(評価)→ Act(改善)のサイクルを回して質を高めていく。よって2が正しい。

地域保健活動は、限られた予算と人員で地域全体の健康水準を引き上げる営みである。だからこそ、地域診断で現状を把握して目標を立て、実施し、指標で評価し、次の計画に反映するという循環が欠かせない。健康日本21や各自治体の健康増進計画も、数値目標を設定して中間評価・最終評価を行うPDCAの形で運用されている。評価には費用対効果の視点も含まれ、同じ効果が得られるなら資源の消費が少ない方法を選ぶ。また、地域保健は住民の主体的な参加が土台であり、行政の役割は強制ではなく、情報提供と参加しやすい環境づくりにある。

✗ 1. 誤り
費用は考慮しない。
財源も人員も有限なので、費用対効果を検討して優先順位をつけるのが実務の前提。事業評価では「どれだけの費用でどれだけの健康改善が得られたか」を見て、次年度の配分を組み替えていく。
✓ 2. 正しい
PDCAのサイクルを意識して進める。
計画→実施→評価→改善を回すことで、活動を地域の実態に合わせて修正できる。地域診断で課題を洗い出し、達成可能な数値目標を置き、実施後に指標で検証して次に活かす、という流れが基本形。
✗ 3. 誤り
産業保健の対象者とは重複しない。
地域住民の中には当然、働く人が含まれるので対象は大きく重なる。むしろ地域・職域連携推進協議会などを通じて健診データや保健指導の情報を共有し、在職中から退職後まで切れ目なく支援する方向が推進されている。
✗ 4. 誤り
法律に基づき対象者を強制的に参加させる。
地域保健は住民の自発的な参加が原則。参加率を上げたいときは、開催時間帯や会場の見直し、わかりやすい案内、健康推進員など身近な人からの声かけ、託児の用意といった「参加しやすくする工夫」で対応する。
ポイント
  • PDCA=Plan(計画)→ Do(実施)→ Check(評価)→ Act(改善)を繰り返す
  • 地域保健法に基づき、保健所(広域・専門的)と市町村保健センター(住民に身近なサービス)が担う
  • 資源は有限。費用対効果を踏まえて優先順位を決める
  • 住民の主体的参加が前提。強制ではなく、参加しやすい条件を整える
  • 地域保健と産業保健は対象が重なる。地域・職域連携で切れ目のない支援へ
比較表
段階やること地域保健での例
Plan(計画)地域診断で課題を把握し、数値目標を設定統計・健康調査(特定健診データなど)から高血圧者の割合を把握し、減塩の目標値を設定
Do(実施)計画に沿って事業を実施減塩教室、広報、飲食店との連携
Check(評価)指標で効果と費用対効果を検証参加者数、食塩摂取量、血圧値の変化を測定
Act(改善)結果を次の計画に反映効果の薄い手法を見直し、届いていない層への働きかけを追加
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