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理由で解く 柔道整復師

QJ26A117 衛生学・公衆衛生学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問117
問題
保健所の業務で誤っているのはどれか。
選択肢
1 HIV 抗体検査
2 精神保健福祉相談
3 難病患者の医療扶助
4 事業所の作業環境測定
解答
正解4(事業所の作業環境測定)
解説

事業所の作業環境測定は労働安全衛生法に基づき事業者が実施し、労働基準監督署が所管する。保健所の業務ではないため、これが設問の答えになる。

保健所は地域保健法に基づき都道府県・政令市・中核市・特別区が設置する、専門的で広域的な地域保健の拠点である。感染症対策(結核・HIV・性感染症の検査と相談、感染症発生時の疫学調査)、精神保健福祉相談、難病対策、母子保健のうち専門的な支援、食品衛生・環境衛生の監視指導、地域の保健統計などを担う。これに対し、働く人の健康と職場環境は労働安全衛生法という別の体系にあり、作業環境測定や労働者の健康診断は事業者の義務で、指導・監督は労働基準監督署が行う。制度の柱が「地域保健」なのか「労働衛生」なのかで担当が分かれる、と押さえるとよい。あわせて、母子健康手帳の交付や乳幼児健診など住民に身近で頻度の高いサービスは市町村保健センターが担当する、という役割分担も対で覚えておきたい。

✓ 4. 保健所の業務ではない(これが答え)
事業所の作業環境測定
労働安全衛生法に基づき、有害業務のある作業場について事業者が作業環境測定士等に実施させる義務を負う。監督するのは労働基準監督署であり、地域保健法に基づく保健所の所管ではない。
✗ 1. 保健所の業務である(答えではない)
HIV 抗体検査
感染症対策の一環として、保健所では匿名・無料でHIV抗体検査と相談を受けられる。早期発見と治療につなげるための重要な窓口である。
✗ 2. 保健所の業務である(答えではない)
精神保健福祉相談
地域保健法および精神保健福祉法に基づく保健所の業務で、本人や家族からの相談、訪問指導、社会復帰の支援などを行い、精神保健福祉センターと連携する。
✗ 3. 保健所の業務である(答えではない)
難病患者の医療扶助
地域保健法は「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項」を保健所の業務に挙げている。指定難病の医療費助成(特定医療費)の申請窓口も保健所であり、療養相談とあわせて担っている。
ポイント
  • 保健所=地域保健法に基づく専門的・広域的拠点。設置は都道府県・政令市・中核市・特別区。
  • 保健所の主な業務:感染症対策、精神保健、難病対策、食品衛生・環境衛生の監視、統計、専門的な母子保健。
  • 市町村保健センター=住民に身近で頻度の高いサービス(母子健康手帳の交付、乳幼児健診、健康相談など)。
  • 作業環境測定・労働者の健康診断は労働安全衛生法に基づく事業者の義務。所管は労働基準監督署。
  • 迷ったら「地域保健の体系か、労働衛生の体系か」で分ける。体系が違えば担当も違う。
比較表
保健所市町村保健センター労働基準監督署
根拠法地域保健法地域保健法労働基準法・労働安全衛生法
性格専門的・広域的住民に身近・高頻度労働条件と職場の安全衛生の監督
代表的な業務感染症対策、精神保健、難病対策、食品・環境衛生監視母子健康手帳交付、乳幼児健診、健康相談・健康教育作業環境測定・健康診断の実施状況の監督、労災対応
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