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理由で解く 柔道整復師

QJ26A118 衛生学・公衆衛生学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問118
問題
スタンダード・プリコーションで正しいのはどれか。
選択肢
1 米国疾病管理予防センターが推奨する病院感染対策の第2段階である。
2 すべての患者に適用する非特異的な予防策である。
3 手袋を着用すれば手洗いは必要ない。
4 未知の感染症には対応できない。
解答
正解2(すべての患者に適用する非特異的な予防策である。)
解説

スタンダード・プリコーション(標準予防策)は、感染症の有無にかかわらずすべての患者に一律に適用する非特異的な予防策である。

米国CDCが1996年に示した院内感染対策の基本的な考え方で、汗を除くすべての血液・体液・分泌物・排泄物、粘膜、損傷した皮膚を「感染性がありうるもの」として扱う。誰が感染しているかは事前には分からないという前提に立つため、検査結果や診断を待たずに全員に同じ手順を適用できるのが最大の利点である。具体的な内容は、手指衛生、想定される曝露に応じた手袋・マスク・ガウン・ゴーグルの選択、鋭利器材の安全な取り扱いとリキャップをしない廃棄、器材・リネン・環境の適切な処理などである。これが第1段階で、その上に麻疹・水痘・結核(空気感染)、インフルエンザ・風疹(飛沫感染)、MRSA・ノロウイルス(接触感染)など、病原体の伝播経路に応じた感染経路別予防策を第2段階として追加する。柔道整復の施術所でも、施術前後の手指衛生、寝具・器具・タオルの衛生管理という形で同じ考え方が求められる。

✓ 2. 正しい
すべての患者に適用する非特異的な予防策である。
感染の有無や病原体の種類を問わず全患者に適用する点が標準予防策の定義そのもの。診断前から実行できるので、感染対策の土台になる。
✗ 1. 誤り
米国疾病管理予防センターが推奨する病院感染対策の第2段階である。
CDCが推奨している点は正しいが、標準予防策は全患者に適用する第1段階である。第2段階に当たるのは、伝播経路に応じて上乗せする感染経路別予防策(空気・飛沫・接触予防策)。
✗ 3. 誤り
手袋を着用すれば手洗いは必要ない。
手袋には目に見えないピンホールや破損があり、外す際に手指が汚染されることもある。手袋の着用前と外した後の双方で手指衛生を行い、患者ごと・処置ごとに手袋を交換する。
✗ 4. 誤り
未知の感染症には対応できない。
診断がついていない段階から適用できることこそが標準予防策の狙いであり、未知・未診断の病原体に対してむしろ有効に働く。そのうえで病原体が判明したら、経路別予防策を追加していく。
ポイント
  • 標準予防策=全患者に適用する第1段階。感染経路別予防策=病原体に応じて上乗せする第2段階。
  • 対象は汗を除くすべての血液・体液・分泌物・排泄物、粘膜、損傷皮膚。
  • 提唱はCDC(米国疾病管理予防センター、1996年)。
  • 手袋は手指衛生の代わりにならない。着用前と外した後に必ず手指衛生を行う。
  • 診断前・未知の病原体にも適用できる点が最大の利点。
  • 感染経路別予防策の3分類:空気(麻疹・水痘・結核)、飛沫(インフルエンザ・風疹)、接触(MRSA・ノロウイルス)。
比較表
標準予防策(第1段階)感染経路別予防策(第2段階)
適用対象すべての患者特定の病原体が疑われる・確定した患者
前提感染の有無を問わない伝播経路が分かっている
主な内容手指衛生、個人防護具、鋭利器材の安全な取り扱い、環境・器材の処理空気予防策(陰圧室・N95)、飛沫予防策(サージカルマスク)、接触予防策(手袋・ガウン・専用器材)
関係常に土台として実施標準予防策に上乗せして実施
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