学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ27A102
理由で解く 柔道整復師
静脈血栓塞栓症では、下肢や骨盤内の深部静脈にできた血栓がはがれて血流に乗り、下大静脈から右心を通って肺動脈に詰まります。したがって塞栓部位は肺動脈です。
塞栓症は「血栓ができた場所」ではなく「血流がどこへ運ぶか」で行き先が決まります。静脈系の血栓は、下肢深部静脈 → 腸骨静脈 → 下大静脈 → 右心房 → 右心室 → 肺動脈という一本道をたどり、血管が枝分かれして細くなる肺動脈で嵌入します。これが肺血栓塞栓症で、深部静脈血栓症とあわせて静脈血栓塞栓症と呼ばれます。長時間の臥床や座位、ギプス固定、手術後などで下肢の静脈還流が滞ると発症しやすく、いわゆるエコノミークラス症候群がこれにあたります。柔道整復の現場でも下肢の固定や長期安静を扱う機会があるため、こまめな足関節の底背屈運動、可能な範囲での早期離床、水分摂取の励行を指導し、急な呼吸困難や胸痛を訴えた場合はただちに医療機関へつなぐ体制を整えておきましょう。
| 塞栓の由来 | たどる経路 | 詰まる場所 |
|---|---|---|
| 下肢・骨盤内の深部静脈 | 下大静脈 → 右心房 → 右心室 | 肺動脈(肺血栓塞栓症) |
| 左心系(左房内血栓・疣贅) | 左心室 → 大動脈 | 脳動脈、冠状動脈、腎・脾動脈、下肢動脈 |
| 静脈血栓+右左シャント | 右心 → 卵円孔など → 左心 | 動脈系(奇異性塞栓。例外的経路) |
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