学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ27A103
理由で解く 柔道整復師
フィラリア症では成虫がリンパ管とリンパ節に寄生して内腔を閉塞するため、間質液がリンパ管へ回収されずにたまるリンパ浮腫が生じます。したがって成因はリンパ管の閉塞です。
浮腫は間質に水分がたまった状態で、その成因はスターリングの法則に沿って4つに整理できます。すなわち毛細血管静水圧の上昇、血漿膠質浸透圧の低下、血管透過性の亢進、そしてリンパ管の閉塞です。通常、毛細血管から漏れ出た水分の一部はリンパ管が回収して静脈系へ戻していますが、この排水路が塞がれると水分と蛋白が間質に残り続けます。フィラリア症では蚊が媒介するバンクロフト糸状虫などの成虫がリンパ管・リンパ節に寄生し、慢性の炎症と線維化で内腔が閉塞して、下肢や陰嚢が高度に腫大する象皮病に至ります。同じリンパ性浮腫の機序は、乳癌手術で腋窩リンパ節を郭清したあとの上肢浮腫でもみられ、日常臨床で出会いやすい病態です。
| 成因 | 起こる仕組み | 代表的な病態 |
|---|---|---|
| リンパ管の閉塞 | 間質液の排水路が断たれる | フィラリア症(象皮病)、リンパ節郭清後、腫瘍浸潤 |
| 血管透過性の亢進 | 内皮の細胞間隙が開き血漿が漏出 | 炎症、蕁麻疹、血管性浮腫、熱傷 |
| 毛細血管圧の上昇 | 静脈側のうっ滞で水分が押し出される | 心不全、深部静脈血栓症、静脈瘤 |
| 膠質浸透圧の低下 | アルブミン減少で水を保持できない | ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養 |
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