学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ27A082
理由で解く 柔道整復師
H波(Hoffmann反射)は、末梢神経の電気刺激でIa群求心性線維が興奮し、そのインパルスが脊髄でα運動ニューロンに単シナプス性に伝わって筋を収縮させる反射性の応答である。したがって「脊髄を介して発生する」が正しい記述となる。
下腿三頭筋(ヒラメ筋)で記録する場合を例にとると、膝窩部で脛骨神経という混合神経を刺激する。弱い刺激では、太くて電気刺激の閾値が低いIa群求心性線維が先に興奮し、そのインパルスは後根から脊髄に入り、α運動ニューロンと単シナプスで結合したのち、運動線維を下行して筋に達する。この遠回りの経路を通るぶん、H波はM波より遅れて出現する。刺激強度を上げていくとH波はまず振幅を増して最大値(Hmax)に達し、さらに強めるとα運動線維も直接興奮して、刺激点から筋へまっすぐ向かうインパルスが潜時の短いM波をつくる。このとき運動線維を中枢向きに逆行するインパルスが反射で下行してくるインパルスと衝突して打ち消すため、Hmaxを過ぎるとM波が増大する一方でH波は減衰し、最大上刺激ではM波が最大となってH波は消失する。つまりH波は増大相から減衰相へと二相性の経過をたどるのであって、刺激を強めれば初めから一方的に小さくなるわけではない。H波は腱反射(伸張反射)の電気生理学的な対応物であり、Ia線維からα運動ニューロンへ至る経路の興奮性を客観的に評価する目的で用いられる。
| 比較項目 | M波 | H波 |
|---|---|---|
| 興奮の起点となる線維 | α運動線維(遠心性)を直接刺激 | Ia群求心性線維 |
| 経路 | 刺激点→運動線維→筋(直接) | 刺激点→後根→脊髄→α運動ニューロン→運動線維→筋 |
| 脊髄を介するか | 介さない(直接応答) | 介する(単シナプス反射) |
| 潜時 | 短い | 長い |
| 刺激強度を上げると | 増大し、最大上刺激で最大となる | まず増大してHmaxに達し、さらに強めると衝突により減衰・消失する |
| 出現しやすい刺激強度 | 強い刺激(閾値が高い運動線維を興奮させる) | 弱い刺激(閾値が低いIa線維が先に興奮する) |
| 対応する生理現象 | 運動神経の直接刺激による筋収縮 | 腱反射(伸張反射) |
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