学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ27A077

理由で解く 柔道整復師

QJ27A077 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問77
問題
副交感神経系の活性化で生じるのはどれか。
選択肢
1 散瞳
2 唾液分泌の抑制
3 心拍数の減少
4 腸管運動の抑制
解答
正解3(心拍数の減少)
解説

副交感神経は「休息と消化」の神経である。心臓に対しては迷走神経を介して働き、心拍数を減少させる。

心臓の副交感神経支配は迷走神経が担い、洞房結節のムスカリンM2受容体にアセチルコリンが結合するとK+の流出が増えて細胞が過分極し、洞房結節の自動能が低下して心拍数が減る(陰性変時作用)。同時に副交感神経は動眼神経を介して瞳孔括約筋を収縮させて縮瞳を起こし、唾液腺では漿液性の唾液を多量に分泌させ、消化管では蠕動運動と消化液分泌を高める。つまり副交感神経の作用のうち「抑制」に向かうのは心臓・気管支など一部だけで、消化にかかわる働きはすべて「促進」になる。交感神経と副交感神経の作用は臓器ごとに表で対比しながら覚えるのが確実で、「戦うか逃げるか=交感神経」「休んで消化する=副交感神経」という原則に立ち返れば個々の作用も推論できる。

✓ 3. 正しい
心拍数の減少
迷走神経の興奮によりアセチルコリンが洞房結節のM2受容体に作用し、K+流出増加で過分極が起こって自動能が低下する。その結果、心拍数が減少する(陰性変時作用)。房室伝導も遅くなる。
✗ 1. 誤り
散瞳
散瞳は交感神経が瞳孔散大筋を収縮させて起こる。副交感神経(動眼神経)は瞳孔括約筋を収縮させるので、生じるのは縮瞳である。対光反射で瞳孔が小さくなるのもこの経路による。
✗ 2. 誤り
唾液分泌の抑制
副交感神経は唾液分泌を促進し、しかもさらさらした漿液性の唾液を多量に出させる。交感神経が優位のときは量が少なく粘稠な唾液となり、緊張時に口が渇くのはこのためである。
✗ 4. 誤り
腸管運動の抑制
副交感神経は腸管の蠕動運動と消化液分泌を促進する。抑制するのは交感神経である。「休息と消化」の神経という原則からも、消化管の働きを高める側だと判断できる。
ポイント
  • 副交感神経=「休息と消化」。心臓は抑制(心拍数減少)、消化管・腺は促進
  • 心臓への副交感神経は迷走神経。洞房結節のM2受容体を介して心拍数を下げる。
  • 瞳孔:副交感(動眼神経)で縮瞳、交感で散瞳
  • 唾液:副交感で漿液性・多量、交感で粘稠・少量。
  • 副交感神経の節後線維の伝達物質はアセチルコリン。交感神経の節後線維は原則ノルアドレナリン(汗腺はアセチルコリン)。
比較表
臓器・機能交感神経副交感神経
心拍数増加減少
瞳孔散大(散瞳)縮小(縮瞳)
唾液分泌少量・粘稠多量・漿液性
腸管運動・消化液分泌抑制促進
気管支拡張収縮
膀胱(排尿)蓄尿(排尿筋弛緩)排尿(排尿筋収縮)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。