学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ27A078

理由で解く 柔道整復師

QJ27A078 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問78
問題
大脳基底核の障害で認められるのはどれか。
選択肢
1 企図振戦
2 推尺障害
3 筋緊張異常
4 バビンスキー反射
解答
正解3(筋緊張異常)
解説

大脳基底核は運動の開始・調節と筋緊張の制御を担う。障害では筋緊張異常や不随意運動が現れる。

大脳基底核は線条体(尾状核・被殻)、淡蒼球、視床下核、黒質からなり、大脳皮質の運動指令を促進・抑制の両方向から調整して、必要な運動だけを滑らかに出力させている。この系が障害されると、筋強剛(固縮)やジストニアなどの筋緊張異常、安静時振戦、無動・寡動、あるいは舞踏運動やバリズムといった不随意運動が生じる。代表がパーキンソン病で、黒質のドパミン神経細胞が変性することで筋強剛・安静時振戦・無動・姿勢反射障害の4徴を来す。同じ運動障害でも、小脳障害では運動の協調性が崩れ(企図振戦、測定障害、変換運動障害、失調性歩行)、錐体路障害では痙性麻痺と病的反射が出る。責任部位ごとに現れる症候を分けて覚えることが、この種の設問を確実に取る近道である。

✓ 3. 正しい
筋緊張異常
大脳基底核は筋緊張の調節に深く関与しており、障害されると筋強剛(固縮)やジストニアといった筋緊張異常を来す。パーキンソン病の歯車様・鉛管様固縮がその典型である。
✗ 1. 誤り
企図振戦
目標に手を近づけるほど震えが大きくなる振戦で、小脳障害の所見である。大脳基底核障害でみられる振戦は、じっとしているときに出て動かすと軽くなる安静時振戦であり、性質が逆である。
✗ 2. 誤り
推尺障害
測定障害ともいい、目標までの距離や運動の大きさを適切に見積もれない状態で、小脳障害の所見である。指鼻試験や踵膝試験で確認される。大脳基底核の症候ではない。
✗ 4. 誤り
バビンスキー反射
足底外側をこすると母趾が背屈する病的反射で、錐体路(上位運動ニューロン)障害を示す所見である。大脳基底核は錐体外路系に属し、この反射は出現しない。
ポイント
  • 大脳基底核=線条体(尾状核・被殻)、淡蒼球、視床下核、黒質。運動の開始・調節と筋緊張を制御する。
  • 障害の症候:筋緊張異常(固縮・ジストニア)、安静時振戦、無動・寡動、舞踏運動、バリズム。
  • 小脳障害の症候:企図振戦、測定障害(推尺障害)、変換運動障害、失調性歩行、筋緊張低下。
  • 錐体路障害の症候:痙性麻痺、深部腱反射亢進、バビンスキー反射などの病的反射。
  • パーキンソン病は黒質のドパミン神経の変性による。4徴=筋強剛・安静時振戦・無動・姿勢反射障害。
比較表
障害部位振戦筋緊張特徴的な所見
大脳基底核安静時振戦異常(亢進=固縮など)無動・寡動、舞踏運動、バリズム
小脳企図振戦低下測定障害、変換運動障害、失調性歩行
錐体路なし亢進(痙縮)バビンスキー反射、深部腱反射亢進
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。